6月の諏訪湖600で必死に上った朝霧高原を今度は気持ち良〜く下った。9月16日に開催されたランドヌ東京のBRM916東京300に参加。3カ月ぶりのブルベにケツはすりむけ、ヒザも悲鳴を上げかけたが、東京オリンピックコースとなった道志みちを上り、「全て下り坂」と看板があった国道139号のダウンヒルを楽しんだ。もっともこの後には富士山南麓道路の地獄の上りと、霧の十里木峠が待っていたのだが、ともあれ何とか300キロを17時間で完走。2年ぶり5度目のシューペル・ランドヌール(スーパー・ランドナー=SR)をゲットした。


※シューペル・ランドヌール=同一年内(1月〜12月)にBRMの200キロ、300キロ、400キロ、600キロを完走したランドヌールはSuper Randonner(SR)(シューペル・ランドヌール(仏)/スーパー・ランドナー)と呼ばれる。ただし認定はなく、あくまでも称号


道の駅朝霧高原
道の駅朝霧高原

 曇り空の駒沢公園を午前6時にスタート。気温は20度ぐらいか。ウエアは半袖ジャージ、レーパン。ややひんやりする感じがしたので、スタート直前にアームウオーマー、ニーウオーマーを着けた。サドルバックにはレッグウォーマー、薄手と厚手のウインドブレーカー、指付グローブ、タオル、予備チューブに工具、クリームパンなど。天気予報によるとコース上で降雨となる所はなかったのでレインウエアは持ってこなかった。ただ、湿気は多く、いつ雨が落ちてきてもおかしくない天候だった。


スタート地点の駒沢公園
スタート地点の駒沢公園
スタート前のブリーフィング
スタート前のブリーフィング

 多摩川を二子橋で渡り、溝の口駅の先を右折し道なりに真っ直ぐ進み、津久井みちに出て高田橋を目指すのだが、これがなんとずっと平たん。駒沢から自宅のある神奈川県央へは普段は国道246号を使い、スピードは乗るのだがアップダウンに加え、オーバーパスが自転車通行禁止なので苦労していた。遠回りだが、町田までこんな平たんなコースがあったのかと驚いた。


 相模川を高田橋で渡った後は、急坂が待っている。それを越え、中津川沿いを走った後、国道412号に出た直後にも登坂車線のある急坂が現れる。平たん区間は10人以上のトレインで進んでいたが、このあたりでようやくばらけてきた。


 この最初の急坂で右ヒザに痛みが…。まだ始まってもいないのに、まいった。


どんよりとした空の中、高田橋で相模川を渡る
どんよりとした空の中、高田橋で相模川を渡る

【PC1 49・4キロ セブンイレブン津久井青山店】午前8時37分(貯金53分)


 49・4キロ地点のPC1には午前8時37分に到着。貯金は53分とまずまず。レジもトイレも大渋滞だったが、トイレは高田橋手前のコンビニで途中ストップして済ませていたので、アクエリアスだけ買って一気飲み。補給食としてサドルバックに入れていたクリームパンを口に放り込み、速攻でリスタートした。


道志みちに入る。山中湖までは46キロ
道志みちに入る。山中湖までは46キロ

 PC1を出て急坂を下った先の青山交差点を左折すると、東京オリンピックの自転車ロードレースのコースとなった道志みちが始まる。


 コースは8月9日に詳細が発表された。スタートは府中市の武蔵野の森公園で、尾根幹、多摩ニュータウン通りから道志みちを走り山伏峠を越えて山中湖の西を回った後に南下し、籠坂峠へ。さらに南下し十里木峠からは富士山スカイラインへ向かって北上。ここでコース最高点となる標高1451メートルの「富士山麓」山岳ポイントを通過。富士スピードウェイと周辺道路の周回コースを2周し、コースを出て最大斜度20%の、明神峠、三国峠を上り、山中湖の東側を回って再び籠坂峠を経由し、富士スピードウェイに戻ってフィニッシュするというもの。


 今回のブルベでオリンピックコースとだぶるのは、国道412号の串川橋交差点から山中湖の西の明神前交差点までの約100キロと、方向が逆だが、国道469号の原里小前交差点から十里木峠までの区間。


 ブルベや個人のツーリングで何度も走っている道志みちだが、オリンピックコースとなり、ここを新城幸也や別府史之、フルームやキンタナが走るのだろうかと思うとワクワクする。回りの風景も違ったものに見えてきた。走りながら、観戦スポットを探したのはいうまでもない。三国峠や明神峠の方が盛り上がるのだろうが、急坂過ぎて上れないからね。


のどかな風景の道志みち
のどかな風景の道志みち
序盤にあるこう配10%の急坂
序盤にあるこう配10%の急坂
道志みちの神奈川県側の最高地点。標高451メートル
道志みちの神奈川県側の最高地点。標高451メートル
こう配9%を下って道志川を渡ると山梨県側の急坂が出迎えてくれる。ここから道志七里が始まる
こう配9%を下って道志川を渡ると山梨県側の急坂が出迎えてくれる。ここから道志七里が始まる
二里塚
二里塚
水源の森
水源の森
のどかな風景が続いていく
のどかな風景が続いていく

 道志みちでは抜かれるのはいつものことだが、信じられないスピードで抜いていくライダーの多さに驚いた。みんなオリンピックを目指しているのだろうか? いや、自分が衰えたか。来月末には還暦だもんな。


 やがて道志村役場にさしかかる。ふと見ると「オリンピック 自転車ロードレース 開催会場」の横断幕。さらに四里塚手前にも掲げられていた。気持ちが盛り上がるね。


道志村役場に掲げられた「オリンピック開催会場」の横断幕
道志村役場に掲げられた「オリンピック開催会場」の横断幕
四里塚手前に掲げられた「自転車競技ロードレースコース」の横断幕
四里塚手前に掲げられた「自転車競技ロードレースコース」の横断幕
道志みちの長又付近。左は道志川
道志みちの長又付近。左は道志川

 道の駅どうしは3連休とあって大賑わいだったが、ここを越えると一気に車もバイクも減った。こう配はこのあたりから徐々にきつくなってくる。静寂の中を黙々と上って行く。ここからピークまでは9キロだ。


 少し上ると、右手に見慣れない綺麗なレストランができていた。「おばぁの台所」というらしいが、いつできたんだろう? あとで調べて見ると2年前ぐらいにできたらしく、口コミの評判も良いものが多い。「カフェ風うどんそば屋さん」で、冷やしラーメン550円、おいなりさん1個60円などと値段もリーズナブル。上りの途中なのでストップしづらいが、そのうち訪問してみよう。


 キャンプ場を過ぎたあたりからきつくなる。ピークまでは2キロ。長い直線の上りが2本。それを耐え、「一之橋」を過ぎてもうひと頑張りすると、ピークの山伏トンネルが見えてくる。青山交差点からは38キロ。


 ヒザは両方とも痛くなってきた。少しでもトルクを上げるとつりそうな感じもある。たぶん下りになると痛みも引っ込むだろうが、ここはだましだまし上って行くしかない。しかし、前半からこんな状態だと、富士山南麓道路が上れるかどうか心配になってきた。


奥道志キャンプ場付近のきつい上り
奥道志キャンプ場付近のきつい上り
心が折れそうになる、長い直線の上り
心が折れそうになる、長い直線の上り
一之橋。これを過ぎればピークはもう少し
一之橋。これを過ぎればピークはもう少し
ここを曲がればピーク
ここを曲がればピーク
ピークの山伏トンネル
ピークの山伏トンネル

 折れそうな心と戦いながら直線のきつい坂を上り続ける。遅くても回し続ければいつかつく。何人かに抜かれながら、午前11時21分、ようやくスタートからは90キロ地点の山伏トンネルに到着。いつもなら写真ストップ(=休憩)するところだが、この日はアームウオーマーを上げながらそのままトンネルを通過し、そのままダウンヒル。ここで数人を逆転したが(^_^;、平野交差点前の大渋滞で追いつかれた(T_T)。


 スタート時は曇りだったが、道志みちの途中で薄日が差すようになり、山中湖では晴れ間が見えるようになった。しかし、富士山は見えず。残念。


山中湖は晴れ。しかし富士山は見えず
山中湖は晴れ。しかし富士山は見えず

 山中湖畔の路肩の狭い道を走り、明神前でオリンピックコースに別れを告げて右折。すると、今度は山中湖村が掲げた「オリンピック 自転車ロードレース会場」の横断幕が目に飛び込んできた。待ち遠しいねぇ!


山中湖村が掲げた「オリンピック 自転車ロードレース会場」の横断幕
山中湖村が掲げた「オリンピック 自転車ロードレース会場」の横断幕

 この明神前で100キロ。所要時間は5時間50分ほど。道志みちを上ってきたのでこんなものだろう。残りは200キロ。あと1ブルベだ。(「その2」へ続く)【メディア戦略本部 石井政己】