コロナウイルスの影響で4月から開催を自粛していたブルベが9月4日から再開。4月5日から9月6日に延期されていたAJたまがわ主催の「BRM906 定峰200」に参加してきた。5日に延期されていたランドヌ東京主催の「東京300 ウルトラオレンヂ」にもエントリーしていたが、両方には参加できないので短い方にした。


 雨予報もあってか午前7時組のスタートに集まったのは20人ほど。それでもコロナ感染予防対策で4つのグループに分けてのウエーブスタートとなった。もちろん受付場所やコンビニなどでのマスク着用、持参ボールペンで出走サイン、そして接触確認アプリ(COCOA)のインストールも出走の条件だった。


二子玉川・兵庫島のスタート地点
二子玉川・兵庫島のスタート地点

 「定峰」とタイトルにあるが実は峠は通行止めのため、長瀞を迂回するコースとなった。延期されてもそれは変わらず。二子玉川の兵庫島公園を出発し、名栗から山伏峠を越え秩父へ。そのまま北上して長瀞に向かい、寄居、東秩父、越生、飯能と巡る。


天気予報がころころ変わり、1日雨だったのが直前に「午前中だけ雨で午後からちょっと晴れるかもよ」となったので出走する気になったのだが、実際はゲリラ豪雨に何度も襲われるひどい1日だった。


 スタートは曇りだったが、小作付近で降り出した。ガソリンスタンドの片隅でカッパを着て走り出すと、しばらくしてやんだ。岩蔵街道のPC(コントロールポイント)1で脱ぐと、名栗付近で土砂降り。あわてて消防署の軒先で再びカッパを着込む。山伏峠は雨の登坂となったが、中盤あたり(丸太屋の先)でやみ、やがて晴れ間がのぞくようになった。秩父へ下ると完全な晴れとなったので、PC2でカッパを脱いだ。


飯能の山王峠
飯能の山王峠

名栗の山伏峠
名栗の山伏峠

 長瀞もいい天気。楽しみにしていた岩畳は「長瀞自然のみち」からは木々の間から垣間見えるだけだったので、ちょっと残念。でも、チラ見しただけでもすごい風景だった。


長瀞自然のみち
長瀞自然のみち

垣間見えた長瀞の岩畳。手前は荒川
垣間見えた長瀞の岩畳。手前は荒川

 お昼どきは寄居付近を走っていそうだったので、事前にいくつかレストランをチェックしていた。濡れたジャージーも乾いたし、これならお目当ての波久礼の豚カツ店で「豚ロース味噌漬け定食」が食べられそうだ。ところが「このあたりかな」と思った瞬間、ポツリときた。そして土砂降り。ジャージーはあっという間にびしょ濡れ。ランチは断念して次のチェックポイントの「道の駅 和紙の里ひがしちちぶ」へ向かった。


 この道の駅で何か買い物をしてレシートをもらわないといけないのだが、全身ずぶ濡れなので店へも入りづらい。こりゃ困ったぞと思っていたら「みたらし団子」発見。物欲しげな顔で覗くと、サイクリストの格好を見たおねーさんが「1本でもレシート出ますよ。きょうはそういうお客さん多いよ。チェックポイントなんでしょ。頑張って」と天の声。午前6時スタート組の参加者が言ってくれたのか。助かった。この「めん処みはらし」はサイクリストを応援しているそうで、空気入れや工具を貸してくれだけでなく、氷水もあるようだ。素晴らしいのだが、休日サイクリングで来るには東秩父はさすがに遠すぎる(T_T)


雨の「道の駅 和紙の里ひがしちちぶ」
雨の「道の駅 和紙の里ひがしちちぶ」

みたらし団子発見
みたらし団子発見

サイクリストを応援しているという「めん処みはらし」
サイクリストを応援しているという「めん処みはらし」

 ここでまたカッパを着ることも考えたが、着たらやむパターンが続いたのでやめた。案の定、道の駅を出発してしばらくすると雨はやんだ。


 ところがこの日最後の上りとなるときがわ町の松郷峠をおりてしばらくすると土砂降り。そして晴れ。しばらく行くとまた土砂降り。そして晴れ。これが最終PCの青梅まで何度が続いた。ポツンときた時、前方を見ると白く煙っている。あそこに突っ込むのかと思うとうんざりだった。Uターンしたかったよ。「涼しくていい」なんていう参加者もいたが、気をつかうことが多くなったり気軽にお店に入れないことになるので、個人的には暑い方がましだ。


 青梅の最終PCでは晴れ間がのぞくようになったが、体も少し冷えてきたようだったのでカッパを着た。ここで熱を出すわけにはいかないしね。ところが結果的にゴールの狛江まで晴れが続いた。うれしいけど、通気性のいいカッパとはいえ暑かった。


 このコースは8年前の春にも走った。その時も雨で1日中降り続いたこともあって12時間台のゴールだった。この日は定峰峠が回避され、多少晴れ間もあり終盤の渋滞もほとんどなかったことで10時間台のゴールとなった。春の雨と夏の雨は違う。あの時は寒かった。


 さてと自宅へ自走で帰るか。ところが天気予報を確認すると、どうも自宅付近でゲリラ豪雨が待っているようだ。一度脱ごうとしたカッパを再び着込み、国道246号を帰還。自宅まで残り10キロ付近で痛烈な一撃を食らった。この日、最強のゲリラ豪雨で風のおまけ付き。国道の坂は川となり、豪快に車からの水しぶきが襲ってくる。乾いたジャージーがまたびしょ濡れだ(T_T) 最後の最後まで雨に泣かされる、今年最初で最後のブルベとなった。まあ、終わってしばらく経つと、つらかったことも綺麗に忘れ、あれはあれで楽しかったなぁなんて思うに決まっているのだが…。【メディア戦略本部デジタル編集部 石井政己】


◆この日の走行距離 ブルベ=202.9キロ、獲得標高1371メートル、所要時間10時間39分 自走往復を合わせると走行距離252キロ