妻にE-Bikeで走ってもらう旅は1日だけで終わる予定だった。

ところが妻が予想外に楽しそうにしているので、もうちょっと一緒に走りたくなってきた。ダメモトで別の場所でE-Bikeをレンタルしてもう1回乗ってみようと提案。すると「いいよ、乗ってみよう」とうれしい反応が返ってきた。やった。テンションが上がる。

翌朝。妻の気分が変わらないように、急ぎ足で「MERIDA X-BASE」（https://www.merida.jp/x-base）へ向かった。車を走らせること20分。伊豆の国市の伊豆ビレッジ内にある「MERIDA X-BASE」に到着した。

「MERIDA X-BASE」はスポーツ自転車ブランド「メリダ/MERIDA」が運営する世界最大級のサイクリング施設。メリダの国内取扱全車種が展示されているほか、レンタル、ライディング講習会、メカニック講習会、ガイドツアー、キッズスクールなどなど、自転車とサイクリングが楽しめて学べる施設となっている。

館内に入るとカッコイイ自転車がズラッと並んでいる。その数に圧倒される。受け付けを済ませた後、ロードレースでプロライダーとしても活躍している品川さんから、E-Bikeの扱い方法やスポーツ自転車の乗り方などを教わる。妻は昨日1度乗って感覚はつかんでいるので今日は大丈夫だろう。

メリダXベースではメリダの国内取扱全車種が展示されている。レンタルもできる

メリダXベースでお世話になったスタッフさん。どんなことでも親身に相談に乗ってくれる

妻は昨日と同じミヤタのE-Bikeクルーズ（昨日と違うモデル）、僕は少し大柄なメリダのE-Bikeパスポートをレンタルする。ヘルメットをかぶり、いざ出陣！

伊豆の国を南北に流れる狩野川沿いに延びる歩行者＆自転車用の道を進んで行く。この日は土曜日、スポーツ自転車を楽しむ人がたくさん走っている。確かに伊豆は気候が温暖だし自然も豊か、自転車を楽しむには理想的な土地だと思う。

品川さんがおすすめしてくれたルート、葛城山へ向かう道へと進んで行く。みかん園の辺りから急勾配の上り坂が始まる。普通の自転車に乗っていたら、見た瞬間に上るのを諦めてしまいそうな坂道だが、E-Bikeなら上ることができる。それでも基本は自転車なので、急勾配を上り続けるとさすがに息が上がる。

300メートルぐらい上ったところの平地でひと休み。ヒロコが少し遅れて上ってくる、さすがに苦しそうだ。僕のところまで上ってくると「ねえねえ、坂は上れそうなんだけど……それより、この急坂を下るのが怖い」と顔をしかめた。

予想外の言葉を投げてきた。確かに、スキー場のゲレンデみたいな急斜面を自転車で下るのは、僕でも少し怖い。自転車に慣れていない妻はなおのこと。気持ちに余裕がないと、どんなことでも楽しめないからね。「OK！　じゃぁ、ここから引き返そう」

伊豆長岡の田舎道をE-Bikeで走る

急勾配の上り坂が続くとさすがに呼吸が荒くなる

狩野川沿いへ引き返す。コンビニで買ったおにぎりを、河原でふたりでほおばる。うまい。外で食べるごはんは、どうしてこんなにおいしく感じるんだろう。

昨日は海岸線を楽しんだ。今日は川沿いのサイクリングをゆっくり楽しもう。狩野川に沿って南下する。川の堤防沿いや田舎道は車が通らないので、たわいもない話をしながらゆっくりペダルをこぐ。

河原でおいしそうにおにぎりをほおばる中年夫婦（笑）

河原の道をE-Bikeで爽快に走り抜ける

川の周りは盆地が広がり民家やビルが点在していて、その先はなだらかな小山が連なり四方を囲んでいる。伊豆の地形が手に取るようにわかる。

三脚を立てて写真を撮ったり、コンビニに立ち寄ったり、公園の売店をのぞいたり、ふたりだと何をしていても楽しい。冗談を言い合っているとあっという間に時間が過ぎて行く。

狩野大橋を渡って川の東側へ渡り北上する。ペダルをこぎながら「自転車で長距離を走るのは大変だなと思ったけど、こんな風にゆっくり走るなら楽しいかもね♪」妻が笑った。

これはいい感じだぞ～と僕の顔がほころぶ。2021年に実現したいと思っているE-Bike日本一周。実は一部だけでも妻と一緒に走れたらと思っていた。その前にE-Bikeに乗ったときにどんな反応を示すのか心配をしていた。どうやら実現できそうな予感がしてきた。

伊豆長岡の旅は大成功だな。

試しに未舗装の土手を走ってみたが意外と安定していた

長嶋茂雄ランニングロードの碑を見つけた

狩野川周辺にはサイクリスト用の自転車修理工具や空気入れ、休憩所のある「バイシクルピット」が点在している