30日間で3700キロをE-Bike(YAMAHA WABASH-RT)で走り切り、佐多岬~宗谷岬の日本縦断を果たした、旅行家藤原かんいち。前例のないE-Bikeによるチャレンジ。運動不足の61歳の中年男にできるのか!? 一体どんな旅だったのか!? 激動の30日間を旅日記で振り返ります。


兵庫県から車で大阪まで応援に駆けつけてくれた、こぶちゃんファミリー!ありがとう!
兵庫県から車で大阪まで応援に駆けつけてくれた、こぶちゃんファミリー!ありがとう!

 Day12 2022/05/27

前日、夕方の雨で衣類はびしょ濡れになったが、夜に近くのコインランドリーで洗濯乾燥したので、今朝はバッチリ。朝8時発のフェリーに合わせてホテルを出発。徳島港ターミナルに着くと、同世代の男性が僕に近づいてきた。話をするとSNSで何度かやり取りをしている伊達さんだった。もちろん初対面。まさか、来てくれるとは思わなかったので驚いた。家が近いので出勤前に来てみたという。近い将来E-Bikeで長い旅をする計画があるというので、充電時間やバッテリーと走行距離、携行品のことなど持っている情報を共有した。

そこへもうひとり知っている顔が現れた。13年前、オートバイで全国を旅していた時に出会ったやまちゃんだ。そういえば徳島在住だったな。しかし、何の連絡もなく突然会いに来るなんて、想像もしていなかった。聞くと、SNSを見ていて、この時間の船に乗ると予想してきたという。まさにドンピシャだ。出航まで時間がないので、慌ただしくあまり話ができなかったが。久しぶりに会えて嬉しかった。伊達さんもぜひ旅を実現してくださいね!

E-Bikeと共に乗り込んだ船は、徳島と和歌山を2時間15分で結ぶ南海フェリー。自転車で淡路島へ渡ることができないサイクリストに、おすすめのフェリーなのだ。広い船内は乗客も少なく静かだった。平塚カメラマンと一緒にふたりからもらった差し入れを味見したり、今後のルートや日程を確認したり、ゆっくり過ごした。


徳島港へ見送りに来てくれた伊達さん。感謝です
徳島港へ見送りに来てくれた伊達さん。感謝です
やまちゃんと会うのは13年ぶり。会いに来てくれてありがとう
やまちゃんと会うのは13年ぶり。会いに来てくれてありがとう
南海フェリーの車両デッキ。和歌山まで2時間の船旅
南海フェリーの車両デッキ。和歌山まで2時間の船旅

和歌山市内を通って紀の川へ。大台ケ原を源流とする一級河川で、奈良県では吉野川、和歌山県に入ると紀の川と名前を変える。北島橋を渡り川沿いを走っていると、河原に伸びる歩行者自転車道を発見した。それからしばらくは紀の川を眺めながらのサイクリングとなった。自転車どころかほとんど人も歩いていない静かな道で、時々野良猫が寝ころんでいるくらい、のんびりしていた。

那賀から国道480号、進路を北へ変えた。センターラインのない狭い道になり、景色も民家と畑ばかり、ローカルな雰囲気なった。交通量も少なくてラッキーと喜んでいたがしばらく走ったところで現れた鍋谷トンネル(和歌山県・大阪府)が、なんと、自転車は通行不可。噓だろー。走れないの? 旧道があるのでそちらを走れということらしい。ところがこの旧道がかなり深い山道で、クネクネカーブの連続で、思うように進まない。さらに次のトンネルも通行不可。結局10キロ近く多く走ることになった。


北島橋でたくさんの水が流れる、紀の川を渡った
北島橋でたくさんの水が流れる、紀の川を渡った
自転車道路の日陰でのんきに寝ころぶ猫ちゃん
自転車道路の日陰でのんきに寝ころぶ猫ちゃん
紀の川に沿って東へ向かう
紀の川に沿って東へ向かう
国道480号の旧道で鍋谷峠を越えて大阪府へ
国道480号の旧道で鍋谷峠を越えて大阪府へ

大阪府に入ると和泉市、大阪狭山市、堺市とひたすら市街地が続いた。最短距離で行こうとすると道順が複雑になり、何度も迷ったり、間違えたり、信号も多いので、なかなか思うように進まない。さらに車道を走ったり、歩道を走ったり、とにかく疲れる。おかげで宿泊する松原市のビジネスホテルに着いた時には8時近くになっていた。

夕食時には兵庫県に住む友人のこぶちゃんが、家族連れで会いに来てくれた。こぶちゃんはハンドサイクルで分割日本一周を達成したすごい人、形は違うがサイクル旅の先輩なのだ。短い時間だったが旅の疲れも忘れ、みんなと楽しい時間を過ごした。1時間以上も車を運転してきてくれたこぶちゃん。たくさんパワーもらったよ、日本縦断最後まで頑張るよー!ありがとう。

今日はたくさんの人が応援してくれていることを、実感した一日だった。旅を始める前はこんな風に、みんなが会いに来てくれるとは思ってもいなかった。みんなの希望を乗せて、明日も走るぞー!


■日付:2022年5月27日

■走行距離:91.5km

■ここまでの総走行距離:1,476km

■ルートマップ