倒れた巨木をくりぬいたトンネルもあるセコイア国立公園は、ＬＡから北に３時間半ほど。見たことがない巨木に圧倒されます

　自然豊かなカリフォルニアには日本人にも人気のヨセミテ国立公園など８つの国立公園があり、年間を通じて大勢の観光客で賑わっています。サンフランシスコから日帰り可能なヨセミテは世界遺産にも登録される世界的な観光地。また、ロサンゼルス（ＬＡ）の中心地から車で２時間半のジョッシュア・ツリーは、ＬＡから一番近い国立公園として地元では人気があります。他にも、死の谷と呼ばれるデスバレー、世界最大と言われる巨木があるセコイア、地震によって噴火した火山岩が運ばれてできたピナクルズなど、魅力あふれる国立公園がいっぱいです。

　そんなカリフォルニア州の国立公園も含め、全米にある１００を超える全ての国立公園が無料で開放される日があります。国立公園を管轄する米国立公園局（ＮＰＳ）が設立されて昨年１００周年を迎えたことを記念して始まったもので、創立記念日となる８月２５日は全ての国立公園に無料で入園することができます。しかも、この日は国立公園のみならず、ＮＰＳが管理する国定記念物や史跡なども全て無料になるので夏休み最後の旅行を計画中の人には朗報です。カリフォルニアの国立公園の入場料は車１台につき２５～３０ドル程度。徒歩や自転車の場合は１人１５ドル前後かかります。１日に複数の公園を回る人や年間に複数回訪れる予定がある人は、「アニュアルパス」と呼ばれる年間パスを８０ドルで購入します。ですので、かなりお得になる無料デーは日程があえばぜひ利用したいところです。

　ＬＡ発で行けるおすすめ国立公園を紹介します。

アンセル・アダムスら多くの写真家も魅了するヨセミテは、ダイナミックな滝や巨大な花崗岩の岩壁など見どころがいぱい

　日帰りならジョッシュア・ツリー国立公園。ＬＡから１０号線を東に走ると行ける近距離なので、レンタカーを借りての旅にもってこい。ジョッシュア・ツリーと呼ばれる風変りな木が生える砂漠地帯ですが、違う惑星に来たかのような景色は圧巻。ロッククライミング、ボルダリングの聖地としても有名で、岩登りを楽しむこともできます。夏なら、ＬＡから北に１時間ほど走ったベンチュラハーバーから船で行けるチャンネルアイランド国立公園もおすすめ。５つの島から構成される無人島で、一番近いサンタクルス島までは船で１時間ほど。周辺はダイビングスポットとしても人気で、途中イルカや運が良いとクジラを見ることもできます。

塩の結晶でできた「悪魔のゴルフコース」と呼ばれる名所などもあるデスバレーは、厳しい自然を目のあたりにできる他では体験できない国立公園

　時間に余裕があるなら、ＬＡから車で５時間ほどのヨセミテやデスバレーまで足を延ばすのもおすすめ。冬は雪に覆われるヨセミテは車の通行が制限されるため、夏がベストシーズン。園内には人気の高級リゾートホテル「アワニーホテル」をはじめ、ロッジやキャンプ場など宿泊施設がいくつもありますが、年間３００万人もの人が訪れる観光地なので予約が取れないことも。その時は園外にある近郊のモーテルなどを利用しましょう。逆に夏は５０度近くまで気温があがることもあるデスバレーは冬がベストシーズンですが、装備をしっかりすれば灼熱砂漠を体験することもできます。ラスベガスまでは車で２時間半ほどなので、ラスベガスと組み合わせて行くのもおすすめです。

日本人にも人気の一生に一度は訪れたいと言われるグランドキャニオンは、ラスベガスから日帰りの飛行機ツアーもあります

　ＬＡから２泊～４泊程度のロードトリップなら、「グランドサークル」と呼ばれるアリゾナとユタ州にまたがる人口湖レイクパウエルを中心とする一帯に点在するグランド・キャニオンやザイオン、アーチーズ、アンテロープキャニオンなどの国立公園を巡るのもおすすめ。アメリカらしい雄大な景色を満喫できる王道コースは、ＬＡからバスツアーも出ているので、車がない人でも比較的訪れやすいですよ。（米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も）