絵文字が主人公のアニメ「ザ・エモジ・ムービー」は現在全米公開中
絵文字が主人公のアニメ「ザ・エモジ・ムービー」は現在全米公開中

 ハリウッドでなんと「絵文字」が主人公のアニメ「ザ・エモジ・ムービー」が公開されましたが、日本の携帯文化から生まれた絵文字は英語でもそのまま「Emoji」として認知されています。もちろん、スマートフォンユーザーたちは、日本同様に日常的に絵文字を使っているわけですが、アメリカでは絵文字以外にも日本語がそのまま英語になった単語がたくさんあります。「すき焼き」や「寿司」「酒(日本酒)」などの日本食は有名ですが、今では「ラーメン」も立派な英語になっています。それ以外にも、実はそのまま通じる日本語がたくさんあります。そんな英語になった日本語を紹介します。

Umamiと書かれたレストランの看板。西海岸ではウマミは食のトレンドとなっています
Umamiと書かれたレストランの看板。西海岸ではウマミは食のトレンドとなっています

●Umami (旨味)

 日本では「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」の他に5番目の基本の味として「旨味」が知られていますが、出汁文化のない欧米では、この複雑な旨味は理解されていませんでした。しかし、2010年に旨味を追求したハンバーガー店「Umami Burger(ウマミ・バーガー)」がオープンするや、Umamiはあっと言う間にトレンドに。著名シェフたちも日本の旨味を探求した料理を提供するようになり、あっと言う間に英語として定着したのです。

●Tofu (豆腐)

 かつては「家畜の餌」とまで言われて忌み嫌われた豆腐も、今ではヘルシーフードとして広く認知されるようになりました。味噌汁の具としてはもちろん、豆腐シェイクなど新たな料理まで生まれています。アメリカのスーパーマーケットでも、今では普通にTOFUを購入することができます。

TOFUはヘルシーフードの代表。日本人と違って冷ややっこにして食べることはあまりないですが、フルーツと一緒にシェイクにしたりします
TOFUはヘルシーフードの代表。日本人と違って冷ややっこにして食べることはあまりないですが、フルーツと一緒にシェイクにしたりします

●Karaoke(カラオケ)

 日本生まれのカラオケもアメリカですっかり定着した文化の一つです。英語の発音は「カラオキ」と聞こえますが、Karaokeを楽しむことができるバーがたくさんあります。

●Tsunami (津波)

 海に囲まれた地震大国日本の災害「津波」は、東日本大震災以降、改めて世界中に知れ渡った言葉です。世界中の人々が映像を見て大きな衝撃を受けた津波は、そのままTsunamiと訳され、今ではサンタモニカなどのロサンゼルスのビーチにも「Tsunami」と書かれた避難ルートの看板が設置されています。

Tsunamiは今や世界共通語。ロサンゼルスの海岸には、Tsunamiと書かれた避難ルートの看板があります
Tsunamiは今や世界共通語。ロサンゼルスの海岸には、Tsunamiと書かれた避難ルートの看板があります

●Futon (布団)

 日本の布団は、ちょっと違った使われ方をしています。掛け布団は「Comforter(コンフォーター)」と呼びますが、床に敷くタイプの敷布団製法のマットやベッドソファーをFutonと呼びます。

●Bento (弁当)

 日本食レストランに行くと、おかず数種類とご飯やカリフォルニアロールなど入ったBento Boxをメニューで見かけますが、ボックスに詰め合わせたご飯をbentoと言います。アメリカで子供たちが学校に持っていく弁当は、サンドイッチとフルーツが入ったバッグが多く、それはランチボックスと呼ばれ、弁当とは区別されています。

●Otaku (オタク)

 日本が世界に誇るオタク文化の多くは、日本語がそのまま使われています。Otaku以外にも漫画=Manga、コスプレ=cosplay、かわいい=Kawaiiなどは若者言葉として浸透しています。

●その他

 食やサブカルチャー的な言葉以外にも、Bushido(武士道)や Kamikaze(神風)、Harakiri(腹切り)など歴史的な言葉、Karate(空手)、Judo(柔道)、Jujitsu(柔術)など日本の武術も、そのまま日本語が英語として通じます。他にも、Karoushi(過労死)やMottainai(もったいない)というような日本にしかない言葉もメディアではそのまま使われています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)