ウベのアイスクリームを挟んだドーナッツ。鮮やかな紫色が目を引きます
ウベのアイスクリームを挟んだドーナッツ。鮮やかな紫色が目を引きます

 今、ロサンゼルス(LA)でトレンドに敏感な人たちに流行っているのが、鮮やかな紫色をした「ウベ」のデザート。聞きなれない言葉ですが、ウベとはヤムイモの一種ダイジョのことで、英語ではパームヤムと呼ばれ、フィリピンでは「ウベ」の名で知られています。このウベを使ったアイスクリームやドリンク、ケーキなどが、その美しい紫色が写真映えするとして、SNSでちょっとしたトレンドになっているのです。ウベは紅芋にも似ていますが、粘り気があるのが違いで、フィリピンでは庶民に人気の食材だそう。本国ではアイスなどのスイーツはもちろんパンや様々な料理にも使うそうで、美容にも良いと言われています。最近、LAのスイーツショップでこのウベを使った紫色のデザートを提供するお店が増えています。

ウベのソースもたっぷりかかったチーズケーキは、見た目よりも甘さ控えめでおいしくいただけます
ウベのソースもたっぷりかかったチーズケーキは、見た目よりも甘さ控えめでおいしくいただけます

 LAのウエストサイドにある日本人街ソーテルにあるスイーツ専門店ビースイート・デザートバーでは、様々なウベスイーツを楽しむことができます。ここはもともと、ブレッドプディングが有名なお店ですが、ここに来たら絶対に食べたいのがウベのアイスクリームを使ったアイスクリームドーナッツ「ハロ」。穴のないグレーズドーナツにウベのアイスをサンドしたものですが、注文後にドーナッツをホットプレスしてくれるので熱々のドーナッツに冷たいアイスのマッチングがなんとも言えません。表面がちょっとカリっとしていて、挟まっている甘さ控えめのウベアイスがトロける感じがたまりません。一口かじると中からビビッドな紫色のアイスが出てくる趣向が、インスタ映えすると評判です。ちなみに、アイスはウベ以外にもバニラやミントチップ、クッキー&クリームなどが選べます。もう一つ、看板メニューとして人気なのが、「ハロハロ」と呼ばれるフィリピンのパフェのようなスイーツ。フィリピン語でハロハロは「色々な物が混ざり合っている」と言う意味があり、その名のとおりかき氷にナタデココや小豆、練乳など13種類のスイーツがカップにぎっしりと詰まり、その上にウベのアイスクリームがトッピングされた見た目も豪華な冷たいデザートです。他にもウベのチーズケーキなど、見た目もインパクト大のスイーツがいっぱい。ウベは鮮烈な紫色をしていますが、着色料などは一切使われておらず、自然の色なので安心して食べられます。

リトルオーサカと呼ばれるLA西部の日本人街にあるビースイーツは、ユニークなウベのデザートが楽しめるスイーツ専門店です
リトルオーサカと呼ばれるLA西部の日本人街にあるビースイーツは、ユニークなウベのデザートが楽しめるスイーツ専門店です

 プリン好きにおすすめなのが、LA郊外シャーマンオークスにあるクリームキャラメルの、ウベを使ったカスタードプリン。カスタードデザート専門店だけあり、濃厚でクリーミーなプリンが楽しめるお店ですが、数種類あるフレーバーの一つがここでしか食べられないウベ。また、特製のキャラメル化された粉状のグラハムクラッカーとギリシャヨーグルトがトッピングされたカスタードパイも、ウベフレーバーを選ぶことができます。こちらもなんとも言えないウベの風味が口いっぱいに広がる一番人気のデザートです。他にもパサデナにあるカフェ86では、ウベを使ったカップケーキの上にフランを乗せた見た目も豪華なスイーツなど、色々なウベスイーツが楽しめます。

 食べるのにちょっと勇気がいるかもしれませんが、芋臭さなどはないので、これからLAのトレンドになりそうなウベのデザートをLAに来た際にはぜひチェックしてみて下さいね。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)