もういくつ寝るとお正月…と子供の頃は誰もがワクワクしたものですが、今年も残すところあとわずかになったこの時期、大人はお年玉で頭を悩ませることも多いですよね。お年玉の歴史は古く、中世にまで遡ると言われていますが、ここアメリカにはお年玉の文化はありません。こちらではクリスマスが一大イベントで、日本のように新年を家族揃って迎えるというような習慣はなく、新年に何か贈り物をするようなこともありません。

人気NO・1のVISAのギフトカード。この時期にはホリデーシーズン向けのデザインも登場します
人気NO・1のVISAのギフトカード。この時期にはホリデーシーズン向けのデザインも登場します

 その分クリスマスには家族だけでなく、友人や同僚、お世話になっている人たちにプレゼントを渡す習慣がありますが、お年玉のように親や祖父母が子供に現金を渡すことはありません。アメリカでの贈り物は基本的にお金ではなく、物であることが一般的ですが、最近は日本の金券のようなギフトカードを贈る人が増えています。というのも、毎年クリスマス後に問題になるのが、もらったものの自分の趣味に合わなかったり、使う予定がないギフトの行方。もらった商品をチャリティーに寄付したり、お店に交換に出かける人もいますが、ギフトカードならそんな不要な物を贈る心配がないと年々需要が高まっています。

クリスマスギフトとして利用されることが増えているギフトカード。デザインも豊富で、選ぶのも楽しくなります
クリスマスギフトとして利用されることが増えているギフトカード。デザインも豊富で、選ぶのも楽しくなります

 ギフトカードは、クレジットカード社会のアメリカらしい商品で、クレジットカードと同様に使うことができます。25ドル、50ドル、100ドルと設定された定額から選ぶものと、自分で自由に金額を設定できるものの2種類があります。大型スーパーには、ギフトカード専用のコーナーもあり、驚くほど様々な種類のギフトカードが売られています。日本でもおなじみのiTunesやGoogle Playなど通信系の他、人気レストランから雑貨店、家電店、大型量販店、コーヒーショップ、ファーストフード、デパートやアパレル系まで数えきれないほどの中から選ぶことができます。また、特定の店ではなく、加盟店ならどこでも使えるVISAやMasterカードのギフトカードもあり、贈る人の趣味や嗜好に合わせて選ぶことができるのも人気の秘訣です。金額が設定されていないギフトカードは、購入する際にレジで希望する金額を伝えるとチャージしてくれるシステムになっており、物によっては手数料を取られることもあります。もらった側は、会計時にクレジットカードと同様に使うことができ、使った金額を引いて残った残金はまた次の機会に使うことができます。

レストランやファーストフード店のカードもあり、クリスマス以外にも様々なシチュエーションの贈り物に使われています
レストランやファーストフード店のカードもあり、クリスマス以外にも様々なシチュエーションの贈り物に使われています

 そんなギフトカードも、やはりもらって嬉しいものとそうでもないものがあるようで、今年の人気ランキングが発表されましたのでベスト3を紹介します。人気NO.1は、アマゾンとVISAのギフトカードで、続く3位は大型量販店ウォルマートとのこと。VISAのギフトカードはクレジットカードと同様の機能なので、オンラインショッピングや通信、各種支払いにも利用が可能なことが人気の秘訣。また、日用品の購入に利用したい人にはやはりウォルマートなどの量販店は人気があるようです。ギフトカードは、スーパーマーケットの他にもガソリンスタンドやコンビニ、郵便局などどこでも購入でき、クリスマスカードと一緒に送ったり手渡したりするにも便利なので、今後ますます需要が増えてきそうです。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」)