前田健太投手がミネソタ・ツインズにトレード移籍したことで日本人選手がいなくなってしまったロサンゼルス・ドジャースですが、ドジャースタジアムでは試合のない時間帯にスタジアムの見学ツアーを行っています。このツアーに参加すればオフシーズンでも普段の試合観戦では立ち入ることのできないエリアやダグアウトにも入ることができます。ドジャースはかつて一世を風靡した野茂英雄元投手を始め、石井一久元投手、斎藤隆元投手やニューヨーク・ヤンキースでも活躍した黒田博樹元投手、そして現在はシカゴ・カブスに所属するダルビッシュ有投手ら多くの日本人選手がプレーしており、日本人には馴染みの深い球団なので、ツアーは地元の人はもちろん在米日本人にも人気があります。

最上階のトップデッキからの眺めは最高です
最上階のトップデッキからの眺めは最高です
ロッカールームを再現した展示は時代ごとの特徴が現れています
ロッカールームを再現した展示は時代ごとの特徴が現れています

ドジャースタジアムはロサンゼルス(LA)の中心部にあるユニオン・ステーションからわずか3キロほどの高台にある、1962年にオープンした歴史ある球場として知られています。現在のメジャー球場ではフェンウェイパーク(ボストン・レッドソックス=1912年オープン)、リグレーフィールド(シカゴ・カブス=14年オープン)に次ぐ3番目に古い球場です。高台という立地にあるが故に他の球場とは異なるユニークな作りになっており、階によって入り口が異なるのも特徴です。ツアーの入り口となるのは、トップデッキと呼ばれる最上階にあるギフトショップ横の入り口で、駐車場の入り口から高台の上を目指して上っていきます。ちなみに車社会のLAではほとんどの人が自家用車で観戦に訪れるため、球場は広大な駐車場に囲まれる形で建っています。試合当日は当然ながら球場の入り口手前から渋滞が発生し、球場内に入るだけで1時間近くかかることも珍しくありません。

LAの人たちに愛された野茂英雄投手がドジャースを去った時に書かれた直筆のメッセージも展示されています
LAの人たちに愛された野茂英雄投手がドジャースを去った時に書かれた直筆のメッセージも展示されています
グラウンドに降りて歩くこともできます
グラウンドに降りて歩くこともできます
ダグアウトでの記念撮影は一生の思い出に
ダグアウトでの記念撮影は一生の思い出に

ツアーはドジャースのホームページに開催日時が記載されており、オンラインでチケットを購入することができます。オフシーズンの現在は1日3回ツアーが行われており、参加費は1人20ドル。1度のツアーで参加できる人数に制限があるので事前にオンラインで予約するのがおすすめですが、当日空きがあれば現金で支払うと参加も可能です。ギフトショップ前に集合し、およそ20人ほどのグループに2人のガイドが付いて約1時間半のツアーが始まります。球場全体が見渡せる最上階のデッキでドジャースの歴史や注意事項など一通り説明を受けると、エレベーターに乗り込んでプレスルームに向かいます。実際に記者の人たちが普段仕事をしているプレスルームでは、参加者は自由に席に座って写真撮影などもできます。そして次はVIPルームに移動し、20人収容の豪華なプレミアムスイートルームの内部を見学します。専用のバルコニーやバーカウンター、大型テレビにソファーなども備え付けられた室内で、VIPの人たちがどのように過ごすのか説明を受けた後、廊下に飾られた数々の記念品や往年のスターたちのサイン入りグッズなどを見学しながら食堂を通過してグラウンドにおります。芝生への立ち入りはできませんが、選手たちと同じ目線に立って球場を一望できるのは最高の体験です。選手たちが実際に座っているベンチにも入ることができ、記念撮影ができます。ロッカールームは残念ながら見学はできませんが、ロッカールームを時代ごとに再現した展示の他、元オーナーのピーター・オマリー氏の個人コレクションという貴重な写真やお宝グッズなども見学できます。もちろん、ワールドシリーズのトロフィーやMVP、サイヤング賞などの盾もあり、野茂英雄投手の新人賞の盾も見られます。普通のツアーでも充分に楽しめますが、クラブハウスやブルペンなども見学できる豪華なVIPツアーも行われているので、興味のある方は公式サイトをチェックしてみると良いですよ。

選手たちが試合の時に座るベンチ
選手たちが試合の時に座るベンチ
ガイドの説明を聞きながらさまざまな場所を回ります
ガイドの説明を聞きながらさまざまな場所を回ります
NOMOマニアという言葉が生まれるほど人気を博した野茂投手の活躍を伝えるパネルも
NOMOマニアという言葉が生まれるほど人気を博した野茂投手の活躍を伝えるパネルも

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)