10月31日はコロナ禍で迎える初めてのハロウィーンですが、新型コロナウイルス感染対策が求められる中、ここロサンゼルス(LA)ではコスチュームを着て大勢の人が集まる仮装パレードやトリック・オア・トリートは中止となっていますが、仮装そのものは禁止されていないため、オンライン仮装パーティーや自宅で仮装を楽しむなど、安全に過ごす方法や代替案が示されています。コスプレしてドライブインシアターでハロウィーンの映画を楽しんだり、車に乗ったまま楽しめるカーパレードなども企画されており、コロナ禍でも仮装して楽しむ予定の人は意外と多いようです。

トランプ大統領と新型コロナウイルスをモチーフにしたマスク (写真はアマゾンのHPより)
トランプ大統領と新型コロナウイルスをモチーフにしたマスク (写真はアマゾンのHPより)

全米小売業協会の調査によると、ハロウィーンに関する消費は例年比で8.3%ほど落ち込みが予想されているそうですが、個々の消費で見ると昨年よりも金額が若干増えているとのこと。パンデミックでも全米でおよそ1億4800万着のコスチュームが売れているそうで、1人当たりの消費は平均92.12ドルに上ると伝えられています。今年はコスプレをしないという人でもマスクはハロウィーン仕様にする人も多く、ハロウィーンをモチーフにしたマスクの売り上げも上々だといいます。そんな今年の仮装は、「新型コロナ」と「政治」に加えて「ソーシャルジャスティス(社会正義)」「カレン(反マスク運動)」など時代を反映したものがトレンドになっているようです。

パンデミックで入手困難になったトイレットペーパーもコスチュームに(写真はアマゾンのHPより)
パンデミックで入手困難になったトイレットペーパーもコスチュームに(写真はアマゾンのHPより)

●新型コロナウイルス

一番人気はやはり新型コロナウイルスをモチーフにしたもの。パンデミック当初に「コロナ」というネーミングから売り上げが激減して話題になったメキシコのコロナビールやパンデミックで一時は入手困難になった手指消毒液ハンドサニタイザーなどをモチーフにしたものから、ウイルスのマスクまで登場しています。

コロナビールにマスクをつけたコロナ禍らしいコスプレ (写真はコスチューム・スーパーセンターのサイトより)
コロナビールにマスクをつけたコロナ禍らしいコスプレ (写真はコスチューム・スーパーセンターのサイトより)

●政治

11月3日の米大統領選を前にトランプ大統領と民主党のジョー・バイデン候補のコスプレも人気です。トランプ支持者に人気なのは、大統領の人形の肩車に乗ってアメリカ国旗柄の服にキャンペーンキャップ、国旗を手にしたコスチュームです。他にも今月初めに行われた討論会で頭にハエが止まって2分間動かなかったことが話題になったマイク・ペンス副大統領をパロディにしたハエ付きのペンス副大統領のかつらも売れています。

大統領選を前にトランプ大統領のコスチュームも色々登場しています (写真はSprit
Halloween.comより)
大統領選を前にトランプ大統領のコスチュームも色々登場しています (写真はSprit Halloween.comより)
マイク・ペンス副大統領の髪の毛に止まったハエのコスプレも人気(右は本人、写真はピープル誌の記事より)
マイク・ペンス副大統領の髪の毛に止まったハエのコスプレも人気(右は本人、写真はピープル誌の記事より)

●社会正義

白人警察官による黒人殺害事件を発端に人種差別抗議運動「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命は大切)」が全米で巻き起こった今年は、BLMをモチーフにしたコスチュームも人気。背中にBLMの文字が入った魔女のマントやセクシーな警察官のコスチュームなども登場しています。

セクシーな警察官のコスチューム (写真はYandy.comより)
セクシーな警察官のコスチューム (写真はYandy.comより)

●カレン

コロナ禍で社会問題となったマスク着用を拒否して暴れる人たちの俗称「カレン」をイメージしたコスチュームも登場しています。カレンは主にわがままな白人女性を示す言葉として浸透しており、世間一般的なイメージであるショートヘアーの白人女性のかつらや怒り狂うカレンの顔マスクも「怖すぎる」と話題です。

ABCテレビで今年最も怖いコスチュームに選ばれたカレンのマスク (写真はアーティストのジェーソン・アドコック氏のインスタグラムより)
ABCテレビで今年最も怖いコスチュームに選ばれたカレンのマスク (写真はアーティストのジェーソン・アドコック氏のインスタグラムより)

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)