新型コロナの変異種オミクロン株から派生した「ステルス・オミクロン」がデンマークやフィリッピンなどで急増しており、日本でも警戒感が強まっています。オミクロン株の流行がピークを迎えたここロサンゼルス(LA)でもついに発見され、今後の感染状況が注視されています。より感染力が強いとされるステルス・オミクロンについて現在分かっていることをまとめてみました。

オミクロンに2度感染する可能性は?と伝える米メディア
オミクロンに2度感染する可能性は?と伝える米メディア

「ステルス」とは、軍用機やミサイルなどの兵器が敵のレーダーで早期発見されないようにする軍事技術の総称で、「隠密」や「こっそり行う」などの意味があります。その言葉通り、欧州ではPCR検査をすり抜けることが報告されており、気づきづらいことから感染拡大が長期化する恐れがあると言われています。デンマークではすでに新規感染者の60%がステルス・オミクロンになっており、その感染力の強さから今後はオミクロンに代わってステルス・オミクロンが世界各国で主流になることが予想されます。

オミクロン株は昨年11月に南アフリカで初めて確認されましたが、ステルス・オミクロンは世界のどこで発生したのかは分かっておらず、オミクロンとほぼ同時期に発生した可能性が指摘されています。21日時点で、世界40か国以上で確認されており、デンマーク、インド、スウェーデン、シンガポールなどですでにまん延しており、アメリカも感染者が増え始めています。

ステルス・オミクロンが発見されたLAでステルス・オミクロンに関する情報を伝える地元メディア
ステルス・オミクロンが発見されたLAでステルス・オミクロンに関する情報を伝える地元メディア

ステルス・オミクロンは、オミクロンより1.5倍ほど感染力が強いと言われ、濃厚接触者が感染する割合もオミクロンよりも高いことも分かっています。そのため、市中感染が始まるとデンマークのように早期にオミクロン株から置き換わることが想定され、今後他の国にも急速に広がっていく可能性があります。一方で、重症化率については現時点でまだ十分なデータがないながらも、デンマークではオミクロン株と比較して入院率に大きな差はないことが分かっており、重症化率はオミクロン同様さほど高くない可能性があります。ただ、感染者数が倍増すれば重症化する人の割合も増えてくるため、今後医療ひっ迫が起こることもあり得ると専門家は警戒しています。

気になる症状については、オミクロン株の特徴として嗅覚や味覚の異常は少なく、「風邪のよう」と言われていますが、ステルス・オミクロンも同様の可能性が高いとされています。感染後2~14日以内に出る主な症状として多いのが、「咳」「倦怠感」「のどの痛み」「鼻づまりまたは鼻水」などがあげられており、単なる風邪と勘違いしてコロナに感染したことに気づきにくいことが特徴となっています。ただ、まだステルス・オミクロンに関する情報は少ないため、一概に他の症状や後遺症が出ないとは言い切れないので検査を受けることが重要となってきます。また、ステルス・オミクロンの特徴としてもう1つ注意が必要なのは、オミクロンに1度感染した人がどの程度の免疫を得ることができるのかまだ分かっていないということです。そのため、1度オミクロンに感染した人でも数カ月後に再度ステルス・オミクロンに感染する可能性もあると警告する専門家もいます。一方で、オミクロン株に感染するとデルタ株に対する免疫力を高める可能性があることも分かってきており、オミクロン株のまん延によってデルタ株は消滅することが予測されています。

最後はワクチンの効果についてですが、アメリカを含め各国でブースター(3回目の接種)接種後にオミクロンに感染するケースが多く報告されており、ステルス・オミクロンも同様にブレークスルー感染する可能性が高いと見られています。一方、ワクチン接種者は感染しても重症化しにくいことに変わりはなく、ステルス・オミクロンに対してもワクチンは有効であるとされています。オミクロン株との戦いはワクチンが鍵になると専門家は話しており、オミクロン旋風が吹き荒れる中すでにファイザー社とモデルナ社はすでにオミクロン株に特化したワクチンの臨床試験を始めており、より効果の高いワクチンの実用化が待ち望まれています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)