トム・クルーズ主演の映画「トップガン」(1986年)の36年ぶりとなる続編「トップガン マーヴェリック」が27日に公開されましたが、舞台はロサンゼルス(LA)から車で2時間ほど南に下ったメキシコとの国境の街サンディエゴです。

通称トップガンと呼ばれるエリート飛行士訓練学校を舞台にかつて天才パイロットと呼ばれたクルーズ演じる訓練生マーヴェリックが、新作では教官となって戻って来るという設定になっています。

旧海軍訓練センター、リバティーステーションにある写真撮影スポット
旧海軍訓練センター、リバティーステーションにある写真撮影スポット

海軍基地など多くのシーンをサンディエゴ近郊で撮影していますが、サンディエゴは米軍基地の街として知られています。人口約140万人のサンディエゴはカリフォルニア州内ではLAに次ぐ第2の都市ですが、市内近郊には「トップガン」の舞台になったミラマー海軍基地をはじめ太平洋艦隊の主要な母港でもあるサンディエゴ海軍基地、サンディエゴ湾にあるコロナド半島の北端に位置するノースアイランド海軍航空基地、ポイントロマにあるロマ岬海軍基地など複数の基地が点在しています。

ロマ岬海軍基地に隣接するフォート・ローズクラインズ国立墓地
ロマ岬海軍基地に隣接するフォート・ローズクラインズ国立墓地

そんな基地の街サンディエゴのウォーターフロントには、本物の航空母艦「ミッドウェイ」も停泊しており、現在は博物館として一般に公開されています。ミッドウェイは2019年に同名タイトルの映画にもなっていますが、第二次世界大戦後に就役し、ベトナム戦争や湾岸戦争に参加した後、1992年に任務を航空母艦インディペンデンスに譲って現役を引退。2004年からサンディエゴでミッドウェイ博物館として開館しています。

米海軍の航空母艦の一つミッドウェイは、現在は博物館として一般に公開中
米海軍の航空母艦の一つミッドウェイは、現在は博物館として一般に公開中
本物の空母の中を見学できるミッドウェイ博物館は、サンディエゴ観光の目玉の一つ
本物の空母の中を見学できるミッドウェイ博物館は、サンディエゴ観光の目玉の一つ

巨大な空母の内部を自由に見学して回れるほか、戦闘機が離着陸する飛行甲板では戦闘機や軍用ヘリコプターも間近で見学することができます。さらに、ミッドウェイ博物館の近くにあるサンディエゴ海事博物館では、かつてソビエト連邦だった時代のソビエト海軍の潜水艦B-39も展示されており、こちらも入場料を支払えば、内部を見学することができます。魚雷発射管や計器、乗組員の寝室などソ連の潜水艦内を見られる貴重な体験ができます。

海事博物館ではかつてのソビエト海軍の潜水艦B-39も展示されています
海事博物館ではかつてのソビエト海軍の潜水艦B-39も展示されています

米軍基地内は普段一般人は立ち入ることができませんが、「トップガン」の舞台となったサンディエゴ北部にあるミラマー海軍基地では毎年秋に航空ショーが行われており、その期間は基地内で迫力満点の飛行ショーを楽しむことができます。世界有数の航空ショーとして知られるミラマー航空ショーは、米海軍所属のアクロバットチーム「ブルーエンジェルス」のアクロバット飛行が目玉ですが、他にも爆撃機による爆弾投下や大型輸送機、ヘリコプターなどが轟音と共に離発着する姿を間近で見ることができます。

ミラマーの航空ショーの目玉、ブルーエンジェルスのアクロバット飛行は迫力満点
ミラマーの航空ショーの目玉、ブルーエンジェルスのアクロバット飛行は迫力満点

また、夜間ショーとして人気なのは、ジェットエンジンを装着したトラックが炎を噴きながら爆走するショーで、迫力満点の航空ショーは航空機ファンのみならず世界中の観光客を魅了しています。今年は9月23日から25日の予定で開催されますので、「トップガン」の世界観を間近で体感したいという方にはお勧めです。

サンディエゴは基地の街というイメージが強いですが、19世紀中頃まではメキシコ領土だったこともあり、近代的な建物と共にメキシコ時代を彷彿させる歴史ある建物もたくさん残されています。また、シーワールドやサファリパークなどのテーマパークや、サンディエゴから橋を渡った先のコロナド島にある歴代米大統領やハリウッドスターにも愛される老舗高級ホテル「ホテル・デル・コロナド」、メキシコ領時代の街を再現したオールドタウン、サンディエゴ動物園や美術館、博物館、植物園などを有する広大な公園バルボアパークなど観光名所もたくさんあります。

また、ペトコ・パークではダルビッシュ選手が所属するパドレスの試合も観戦でき、タイミングが良ければエンゼルスの大谷投手との対戦も見られるかもしれません。また、市内中心部からメキシコ国境まではわずか1時間弱の距離とあり、車や徒歩で日帰りメキシコ旅行も楽しめます。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)