1979年以来の食料品高騰を伝えるオンランメディアの記事
1979年以来の食料品高騰を伝えるオンランメディアの記事

10日に発表された7月の消費者物価指数は前年の同じ月と比べて8.5%の上昇となったものの、物価上昇の上げ幅は6月の9.1%より縮小したことなどから、アメリカで進んでいるインフレがついにピークを迎えたのではないかとの期待感が出ています。11日にはガソリンの全米平均小売価格が3月以来となる4ドル割れになったこともあり、ここロサンゼルス(LA)でも一時7ドル目前だったガソリン価格が5ドル台まで下落しています。しかし、人々の生活に欠かせない食品は前年比で10%以上上昇するなど依然として記録的な水準のインフレは続いており、家計を圧迫しています。買い物に行く度にモノの高さに驚かされ、まったくピークアウトする気配は感じられず、「このインフレはいつまで続くの?」というのが現状です。

卵1パックは8ドルほど
卵1パックは8ドルほど
記憶では3ドル台だったはずのポテトチップスが6ドル50セントに
記憶では3ドル台だったはずのポテトチップスが6ドル50セントに

先日、よく利用する日系スーパーマーケットでマヨネーズが7ドルを超えているのを見た時には、さすがに「マヨネーズが1000円?!(1ドル=135円換算で945円)」と値札を二度見してしまいましたが、コロナ前は3ドル台だったのでたった2年ほどで倍になった計算です。特に今年に入ってからの値上げ率は尋常ではなく、仕入れ価格や輸送費の高騰などを考慮しても、記録的な円安なのだから7ドルはあまりに高すぎるのでは? と思ってしまいます。マヨネーズも高級食品になってしまったLAですが、それ以外の日本の食材も全般的に値上がりしています。干ばつの影響もあってカリフォルニア米の価格は高騰していますし、肉や魚から野菜、豆腐、加工品までコロナ禍前に比べて全て割高で、6ドルくらいで買えていたお弁当も10ドルを超えており、何を買うにも以前に比べて日本の感覚だと3~4倍くらい高いように感じます。

バターや小麦粉の高騰でクッキーなどの菓子類も値上がっています
バターや小麦粉の高騰でクッキーなどの菓子類も値上がっています
日系スーパーの弁当も今では10ドル超えです
日系スーパーの弁当も今では10ドル超えです

それはアメリカの一般的なスーパーマーケットでも同じで、ホールフーズマーケットではオーガニックレタス1玉が5ドルで650円超え、約1リットルのオレンジジュースが1500円、缶コーヒーも500円超えなど、開いた口がふさがらない状態です。労働統計局によると、食料品は1年で13%上昇し、1979年以来最高の年間上昇率を記録しているそうで、高騰が著しい卵や鶏肉、牛肉から果物、野菜、パン製品、乳製品、菓子類、コーヒーまでほぼ全てが値上がりしています。例えば、卵は7月に4.3%、昨年比では38%の値上がり率となっており、LAでは12個入り1パックが6~8ドルほど、オーガニックになると10ドルを超えます。ポテトも1カ月で4.6%上昇し、バターは前年の同じ月に比べて26%アップしているそうですが、ハム1パック7ドルやポテトチップス1袋6.49ドルなんて値段も目にしますし、スーパーのサンドイッチが7ドル、カリフォルニアロール1パック7.50ドルなど加工品も値上がっています。会計時に思わず「こんなに買ったかな?」とレシートを確認するほどで、感覚的には3~5割くらいこの1年で値上がっているように思います。牛乳や卵、肉、オレンジジュース、パンなど決まったものを週1で買い出しに行くという近隣住民は、支払額が今年に入って2倍近くに増えているとため息交じりに語っており、「もう限界」と悲鳴があちらこちらから聞こえてきます。これから11月末の感謝祭、クリスマスとイベントも増えることから、このまま食品の値上がりが続けば削れない食費の代わりにギフト代を大幅に減らす人が増えると予想され、クリスマス商戦にも影響が出てくることが懸念され始めています。