多くの日本人カップルも結婚式を挙げてきたことで知られるロサンゼルス(LA)郊外ランチョ・パロスバーデスにある「ガラスの教会」ことウェイフェアズ教会が、深刻な地滑りによって閉鎖され、現在保存活動が行われています。
1951年に太平洋を見下ろす丘の上にオープンしたウェイフェアズ教会は、日本の旧帝国ホテルの設計を手がけた建築家フランク・ロイド・ライト氏の息子ロイド・ライト氏が設計した天井まで壁全面がガラス張りの美しい礼拝堂から、「ガラスの教会」の名で親しまれています。
LAのランドマーク的存在として長年地元の人たちに愛され、2023年には国定歴史建造物にも指定されたガラスの教会ですが、周辺道路の拡張工事などに伴って教会の敷地とその周辺エリアでは50年以上前から地盤変動が起きていました。それが近年の豪雨によって前例のないスピードで加速。今年3月から4月にかけての大雨の影響で、約18センチの地滑りが起き、コンクリート地面のひび割れやガラスの破損、壁や骨組みなど建物の一部にも大きな被害が出たことから教会への立ち入りが禁止され、結婚式のキャンセルを余儀なくされました。
眼下に海が広がるロマンチックなロケーション、ガラスや天然素材を多用した自然と調和する建築は、どこを切り取っても絵になる美しさで、ハリウッドセレブだけでなく、日本の著名人も結婚式を挙げています。また、「ビバリーヒルズ高校白書」や「The O.C.」など多くのドラマや映画、ミュージックビデオのロケ地にもなっており、結婚式のない日は一般開放もされ、世界中の観光客を魅了してきました。
しかし、このまま放置すれば修復不能な壊滅的被害を招くとして、建物を即時解体して保存と修復を行うことが決まり、現在解体作業が進められています。将来的に現在地から近い場所、もしくは近郊の安全な場所での再建設を可能にするため、再組み立てができるよう慎重にすべての建築部材を回収して安全な場所に保存する作業が行われています。
教会によると、解体の第1弾として建物全体を覆うように囲っていたセコイアの木や建物の骨組み、ガラス、屋根瓦など礼拝堂の建築部材を取り外し、文書化する作業が終了したとのこと。そして現在は、残された石壁や石の噴水、鐘楼などを安全な場所に移す作業が急ピッチで進められています。ロイド氏が建築に使った資材を現在の技術で再現することは難しく、それらをできる限り保存して後世に残すための努力が続いています。
祭壇の後ろに広がる青い海、美しいガーデン、森の中の隠れ家のような癒やしの空間を再現し、これまでとまったく同じような状態で再建設するには、まだまだ時間がかかる見通しで、再オープンのメドは立っていません。数年後に、再び美しい姿でよみがえることを多くの地元民が願っています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)






