日本では米不足が大きなニュースになっていますが、米の一大生産地として知られるここカリフォルニア州でも2年ほど前に干ばつによる水不足などが原因で米の生産量が減少して価格が高騰したことがあります。そんな中、この数年ロサンゼルス(LA)の日系スーパーマーケットでは、日本から輸入された日本産米を見かける機会が増えています。
日本政府が、農林水産物・食品の輸出目標を2025年までに2兆円、2030年までに5兆円に定めており、輸出拡大を促進していることやカリフォルニア産米の不作、記録的な円安によって日本産米がより安価で買えるようになったことなどが理由に挙げられています。
アメリカのお米というと、中華料理店などで出てくるパサパサのインディカ米(長粒米)を連想する方も多いと思いますが、日本食が広く浸透しているLAではふっくらした日本と同じクオリティの短粒米や、「スシライス」「カルローズ」と呼ばれる中粒米も人気です。
カリフォルニア北部サンフランシスコの北東サクラメントバレーが、州内屈指の米どころとして知られ、多種多様なカリフォルニア産米が作られています。米の栽培に理想的な日中と夜間の寒暖差がある地中海気候で、シエラネバダ山脈を源流とする澄んだ水も確保されているのが理由で、日本で開発された「コシヒカリ」や「あきたこまち」なども栽培されています。
一般のスーパーマーケットですしや巻きずしのパックが普通に販売されているLAでは、カリフォルニア産の中粒米はアメリカの消費者が普段買い物に出かけるスーパーでも売られています。一方、日本産米はまだまだ一般には浸透しておらず、売られているのも在米日本人が日本の食材を買う時に行く日系スーパーマーケットに限定されています。価格は販売店ごとに差はありますが、驚くことに同じ5キロのカリフォルニア産コシヒカリと日本産コシヒカリを比較してみると、日本産よりもカリフォルニア産米の方が高く販売されていることが分かります。
さまざまな種類のカリフォルニア産米の中でも最高品質のものは4.5キロで50ドル以上、日本円にすると7500円オーバーで売られています。一方で日本産米を見ると、北海道のブランド米「ななつぼし」5キロがセール価格で20ドル、日本円で3000円弱‘とかなりお得ですし、新潟産コシヒカリも5キロが26ドルなどカリフォルニア産米と比較して全般にかなり安い印象を受けます。
もちろん為替レートも大きな要因でしょうが、日本人には日本産米が買いやすくなっている一方、アメリカの一般消費者がより安価の日本産米を喜んで購入しているかというと、必ずしもそうではない印象を受けます。理由はさまざまだと思いますが、カリフォルニア産米との差別化がされていないことや、販売店舗が限られていること、さらにそもそも日本からお米が輸入されてきていることを知らないことなどもあります。
一方、カリフォルニア州で広く栽培されている日本のお米より少し大きくて粘り気の少ないさらっとした食感の中粒米は、より低価格で購入できるため、ファミリー層などに人気です。カルローズは日系スーパーマーケット以外でも販売されていることから手に入りやすく、5キロ弱のパックが10ドル台で買えます。
そのカルローズが逆に最近、米不足の日本に輸入されて安価で販売されているようですが、現地の日本人の間では短粒米よりもおいしいという人もいる人気米です。炊き方を工夫すれば普通においしく食べられますし、水分が少ないのでチャーハンやどんぶりによく合うことでも知られています。
(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)





