インフレが続くアメリカで、卵の高騰が大きな問題となっています。鳥インフルエンザの流行により、昨年12月以降ここカリフォルニア州の養鶏農家でも数百万羽が殺処分され、深刻な卵不足が起きています。スーパーマーケットでは購入制限が行われ、卵コーナーが空になる店舗も出ています。しかも、12個入りの卵1パックが8ドル、1200円超えという状況になっています。

日系スーパーマーケットで発見した最安値の5ドル台の卵はほぼ売り切れ状態
日系スーパーマーケットで発見した最安値の5ドル台の卵はほぼ売り切れ状態

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、卵の全米平均価格は2021年1月以来237%上昇しており、1・47ドルから4・95ドルになっていると伝えています。さらに昨年12月の小売価格は、前年に比べると36・8%値上がりしているといいます。カリフォルニアは特に全米の中でも値上がりが尋常ではなく、平均価格が9ドル近くに達しています。

実際に店舗で値段をチェックしてみると、低価格の商品が豊富にそろう大型スーパーのウォルマートでも卵1パックが8~10ドルで、オーガニック系のホールフーズではオーガニックの卵が12ドルで販売されています。加えてホールフーズでは、1人3個までと購入制限が設けられていました。

少し前まで1人1パックまでというスーパーも少なくなかったので、19日にトルコから1万5000トンの鶏卵の輸出が始まったと報じられたこともあり、若干状況は改善されているようですが、それでもこの値段はさすがに驚きです。

ホールフーズでは厳格な動物福祉の基準を満たす卵が不足していることを伝える張り紙も
ホールフーズでは厳格な動物福祉の基準を満たす卵が不足していることを伝える張り紙も

そんな中、大手ファミリーレストランでは卵料理に追加料金を課す「エッグ・サーチャージ」が導入され話題になっています。全米展開するワッフル・ハウスでは、卵1個につき50セントの請求が始まっています。ワッフル・ハウスは年間2億7200万個の卵を提供しており、値上げの影響を受けているチェーンの一つとされています。また、デニーズも一部店舗でエッグ・サーチャージを導入しており、このまま価格が安定しなければ他の飲食店へも広がっていきそうです。一方で、マクドナルドはエッグ・サーチャージを導入しない方針を示しており、エッグマフィン誕生50周年を記念して3月2日限定で1ドルで提供するプロモーションを行うことを発表しています。

エッグ・サーチャージの導入を伝えるCNNのオンライン記事
エッグ・サーチャージの導入を伝えるCNNのオンライン記事

今月初めには卵約10万個がトレーラーの荷台から盗まれる事件が東部ペンシルベニア州で起こるなど、深刻な卵不足と記録的な価格は社会問題に発展しています。市場が安定を取り戻すまでには数か月かかる見通しで、当面朝食は卵抜きという人も増えています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)