東京湾のA級釣りポイント、野島を知っているか? 24日、横浜市の野島で「第11回野島杯・クロダイ釣り大会」が実施される。今月初旬には出場定員が埋まってしまった。何がこの人気につながっているのか? そう、釣れるんです。16日、野島を中心に活動する海津クラブのメンバーと一緒に太陽のギラギラする日中から、各所で花火のあがる夜まで、野島を堪能してきた。

 東京湾の横浜市と横須賀市の境界線近くに野島堤防はある。ときおり、シロギス釣りの乗合船もすぐ近くで釣りをしたりする。東京湾におけるA級釣りポイントと断言してもいい。

 2日後の24日、「第11回野島杯・クロダイ釣り大会」が実施される。クロダイ釣り師にとって「いつかは野島杯」というあこがれの競技会でもあり、7月初旬には定員の50人は埋まってしまった。

 野島でクロダイがなぜ釣れるのか? 東京海洋大の丸山隆准教授によると、東京湾のクロダイの動きは、冬~春の産卵期までは野島を含む東京湾口で過ごし、初夏から神奈川県沿岸から湾奥へと侵入するが「でも、その主群とは別に羽田沖で越冬するグループは春~初夏に湾口に移動するんです」と話す。つまり、野島には1年を通して、クロダイが生息することになる。

 野島を釣りの活動拠点とする「海津クラブ」の田中正司会長は「野島にはクロダイが集まってくるんです。稚魚放流などの地道な活動も結実したことも理由に挙げられる。何にしろ、クロダイの好むエサも豊富なんでしょう、野島は」と笑顔で話す。

 釣行は16日に実施した。午前から入っているグループは全員クロダイをキャッチ。24日は、30センチ以上の総匹数勝負なので、何匹釣れるか楽しみでもある。

 田中会長は、こうアドバイスする。

 (1)動く 足で動いてより多くの場所で仕掛けを投入する。中には、思い入れのある場所で、そこから動かない人がいるが、クロダイだって回遊する。チャンスをつかむには、自分から動いて回るといい。

 (2)エサのローテーション いろんなエサを使う。人間だって、野菜や肉、魚に米やみそ汁を食べる。クロダイも雑食なので、その日にどんなエサがマッチするのかを探りながら釣っていくのがベスト。

 (3)エサ取り 本命のクロダイではなくて、外道ばかりが釣れるのは、良いバロメーターともいえる。こんなとき、クロダイは遠くから観察していて、食らいつく機会をうかがっている。エサ取りが急にいなくなる瞬間があって、その直後に大きなクロダイがバクン、という傾向が強い。

 24日に参加する選手も、野島でクロダイを狙う釣り人も参考にしてもらいたい。【寺沢卓】

 ▼渡船 野島「村本海事」【電話】045・781・8736。4~9月の渡船時間は、朝便は午前7時発、昼便は正午発、午後便は午後3時45分発、夕まずめ便は日没沖あがり、半夜便は同8時30分。料金(午前7時~日没)は大人(高校生以上)が4000円、女性と中学生は2000円、ファミリー(同居家族4人まで)6000円。半日は大人2500円(女性&中学生は1000円)、夕まずめのみ(午後3時45分~日没)2000円、半夜は3000円、半夜の延長はプラス1000円。小学生以下は無料。詳細は要確認。