着底してからオモリで底をトントーンとノックするようにちょっと浮かせる。沈む直後、サオ先に軽く「コン」とした微細な振動。これがオニのアタリだ。

 「うわぁ~、難しい。初めてだからどんなんだろ」と大魔神ブツブツ。顔は楽しそう。データのない初めてのバッターにどう投げるか、探るようなワクワク感に見えてしまう。

 引きの強引なメダイ、小気味のいいアタリのユメカサゴ、そしてハリごとひったっくられたサメ(海面でリリース)と主役以外のゲストを3魚種重ねた。

 「そっかエサのサバを入れて四目。あとは主役で五目達成だな」と目をギラつかせた。この時点でオニ3匹を釣っていたベテランから「上から落ちてくるエサに反応するよ」とのアドバイスを得て、着底させて、軽くサオをあおったすぐ後に「コン」。オニだ。

 「こんな軽いんだ。でも、そのあとがギュンギュン引く。しかも最初のオニは800グラムぐらい。そんなに大きくない。2キロとかどんなだ。オニ引きスゴい」。大魔神、武者震い。

 コツをつかんで30分後には1・2キロをゲット。ただ、3匹目となったアタリは残り30メートルでバレた。「ヤツらは最後まで暴れる。特にあと30メートルとか20メートルで逃げられるのがけっこうあるんだ。3匹目は大きかったかもね」と中井船長もくやしがった。

 大魔神、人生初のオニ退治は2匹。それでも「深海のモンスターと力の勝負ができた。これはまたやりたい。えっ、夏でもできるの? 寒くないときにやりたいねぇ」と夏オニにも色気を見せた。【寺沢卓】

 ▼船 大原「力漁丸」【電話】0470・62・0575。午前4時30分集合。エサ、氷付きで1万2500円。