予選から、僅差で勝ち上がる激戦が続いたが、シモリの周り、流れのヨレにチヌが浮くワンチャンスを待ち続け、信じた仕掛けで時合を的確にものにした。

 決勝戦ではアユのトーナメントで培った場読み、時合の見極めもさえた。前半、磯際にチヌが寄らないと読むや、後半に全力投球。場所交代10分前に波多選手が38センチ級のチヌを掛けると場所交代後をにらみ「あと1時間あれば、絶対に逆転できる」と冷静な先読み。

 その言葉どおり、場所交代直後に目前のシモリ際で40センチ弱を食わせ、同点に。その後は左からのほどよい潮がシモリをなめるように流れだし、段シズを調整しながら45、35センチ級を追加。3匹対1匹で波多選手に快勝。瀬で掛かりアユを取り込むように磯ザオ全体でチヌの締め込みを受け止める姿、魚釣りに対するセンスの良さが印象的だった。【近江康輔】

 ◆2位・波多瑞紀選手の話 予選リーグから接戦が続き、すごく勉強になりました。気持ちを切り替えて、秋にはリベンジします。

 ◆3位・西尾光治選手の話 初めての下津井で、これだけ上位に入れたので、ここに通って秋にまたG杯に挑戦します。

 ◆藤井夢人(ふじいゆめひと)1983年2月20日生まれ。島根県益田市在住。独身。サービス業の会社員。ホームは益田近郊の磯。フカセ釣り歴20年、アユ釣り歴16年。GFG島根支部、トーナメントチームZERO、TEAM-G所属。アユのがまかつフィールドテスター。「がまかつチャレンジアユ2011」岐阜長良川大会3位。