駿河湾の秋マダイ、やはり数釣り絶好釣! 大魔神こと佐々木主浩さん(49=日刊スポーツ野球評論家)が静岡・御前崎「博栄丸」(大沢洋輔船長)から出漁して、得意のマダイを狙った。ターゲットの大ダイとは出合えなかったが、満足のいく数釣りはできた。来春のマダイ釣りに向けて、イメージを膨らますことに成功したようだ。

 「博栄丸」では、全長10メートルのハリスで2本バリをすすめている。大沢船長は「魚影は濃い。単純にチャンスが広がるので、ハリを2本にした方がいい」と話す。今回、大魔神はあえて1本バリで挑んだ。そこにはマダイと勝負する熱い気持ちがあった。

 大魔神 2本バリは使ったことがない。正確にタナにハリを合わせて待つ。2本バリを否定はしないけど、マダイと真剣勝負をしたいから1本でいきたい。

 投げるボールはフォークで落としても、コーナーを突く直球でも1つしか使えない。マウンドでギリギリの勝負をしていた大魔神らしい選択だった。

 実釣は14日。秋雨前線が通過する中、ゆるいうねりの入る釣況だった。どうやら底荒れはなく、船中では第1投で2キロ近い良型のマダイが釣れた。

 左舷ミヨシ(船首)に陣取った大魔神のサオはピクリとも動かない。

 大魔神 潮の動きは前から後。慌てても仕方ない。待ちですね。魚はいるんだから、そのうち来ますよ。

 今の時期は本命のマダイのほかに、うれしいゲストもハリに掛かってくる。イサキはまだ群れで泳いでいる。大魔神のサオにもヒットした。そのほかイシダイ、カイワリ、メイチダイ、メジナ、イナダなどおいしい魚が次々と釣れた。船中がにぎやかになってきた。大魔神のサオにマダイがかかってきたのは、スタートから2時間が経過していた。

 大魔神 うわっ、小さっ。これは逃がして、大きくなったら戻っておいで。

 手のひらサイズのマダイで海に放すと、勢いよく泳いで、底の方に消えていった。ヒットパレードがここから始まった。500グラム前後を釣り上げ、さらに約700グラムをゲットした。

 船には他10人、全員がマダイを釣り上げた。最大は2・1キロと決して大ダイとはいえないが、魚の反応自体は上々だった。大沢船長は「秋はやはり数釣り。その中に3~5キロ級が交じってくる。今後もマダイ五目は好調でしょう」と話した。

 大魔神には最後の最後で1・5キロが掛かった。リリースした手のひらサイズ(2匹)も含めると5匹。数ではトップ。

 大魔神 大きいサイズの釣れる春に向けて感触はつかめた。野球も同じ。地道に走り込んで下半身をつくる。25歳までにどれだけ走り込めたのか、そこが重要なんだ。米国に行く大谷翔平もどのくらい今まで走ってきたのか。試されるんです、地道な努力は。マダイも大きい型を狙って春だけじゃなくて、秋にサオを出して感触を覚えておかんとダメだ。いい釣りができました。

 大魔神は来春の調整を見据えてサオを握っていた。大きなマダイ、春の駿河湾に期待したい。【寺沢卓】

 ▼船 御前崎「博栄丸」【電話】0548・63・3337。マダイ五目は、釣り場によって出船時間と料金が違うため要確認。その他、ヤリイカも好調。