釣りはしたいけど、この寒い冬だし-と尻込みしちゃうみなさん、長野・諏訪湖のワカサギが待ってますよ。巨大なビニールハウスのようなワカサギ釣り専門ドーム船がある。温泉客が突然訪れても対応できるため、準備&装備ゼロの手ぶら釣行も可能なのだ。しかも、ちゃんと釣り方も教えてくれる。さあ、行っちゃいますか、諏訪湖!

上川大橋を歩いて渡ると、毎朝、カモの親子がバシャバシャと水面を泳ぎ回っている。特に記述する内容でもないのだが、昨年1~2月はこんなことはなかった。

1年前、諏訪湖は全面結氷していた。5季ぶりに「御神(おみ)渡り」も地元の八剱神社から認定された。氷結した湖面が極寒のため隆起した筋をつくること。神さまの足跡とされている。その認定されたのが2月5日だった。ちょうど1年後の5日、サオを出してみた。

そんなこともあって、釣りをする前に上川大橋から湖面を眺めた。どこにも氷がない。

空気はキーンと冷たいのだが、今年は御神渡りを拝むことはできないのだろう。吉兆を告げる神事ではあるが、ワカサギ釣りとしては、それほど歓迎もできない。

「えっ、ワカサギ釣りは氷に穴を開けて釣るんだよね?」

これ、最も多い質問です。いわゆる「氷上釣り」「穴釣り」と呼ばれるものではあるが、諏訪湖では実施していない。氷厚が人間が乗って持ちこたえられるほどに“成長”しないため、現在の諏訪湖ではボート及び多人数が釣りのできる固定型のドーム船が一般的なワカサギ釣りとなる。

今の時期は寒さを避けられるドーム船での釣行に一本化されている。

このドーム船、初心者にはもってこいだ。釣り道具を自分で準備しなくてもいい。この日は湯治目的で上諏訪に訪れた夫婦、松本市から電車に乗って「釣り自体初体験」という男子2人組、そしてスノーボードで長野に来ていた男3人旅も手ぶらできていた。

釣り方も、ベテラン担当者の藤森邦明さん(70)を筆頭に、みんな教え好きがそろっている。安心だ。

ドーム船は厚手のビニールで覆われていて、どんなに寒風が吹いていても、太陽さえ顔を出せば、ポカポカして暑くなってしまう。この時期で半袖で釣りができちゃう。薄着になれる準備だけしてくださいね。

この日は、昨年11月22日に1200匹ちょうどを記録した瀬戸守さん(63=開成町)がサオを出して1001匹を釣っていた。慣れた人になると、カウンターを持参していて、自分の釣りたい匹数を“ぴったり数字”に縁起担ぎで合わせたりする。

忙しくない限り事務所で天ぷらで揚げるサービスも絶賛実施中だ。スノボの3人は「いやぁ~、これマジ楽しい。これからはスノボとワカサギはセットっすね」と2時間の釣行でノリノリだった。

とりあえず、土産話にもなるので、諏訪湖方面に行く用事をつくって“ついで”でいいのでワカサギ釣り、やってみませんか?【寺沢卓】

▼宿 諏訪湖「諏訪湖レジャーセンター」【電話】0266・53・6540。ドーム船はサオ、仕掛け、エサ、遊漁料金がセットで1人4000円、中学生以下は2500円。出舟は午前7時から随時沖のドーム船まで渡します。午後3時で終了。氷1袋100円、発泡容器1個300円。