神奈川県箱根町にある山上湖、芦ノ湖に釣りシーズンが到来した。湖尻地区の「うえ乃」(仁階堂実店主=68)では通常解禁となった2日、秋本貴昭さん(32=埼玉県狭山市)が61センチのニジマス(レインボートラウト)をゲットした。また、来月小学生となる大澤心君が桟橋前でのエサ釣りで30センチ級のニジマス5匹を釣り上げた。開幕当初から思い思いの釣りを楽しんでいた。

湖の至る所でロッドが絞り込まれていた。「うえ乃」でサオ頭となった秋本さんは、解禁当初に実績のある早川水門で釣り仲間のボートに同乗していた。朝10時ごろ、深緑色で縁がオレンジや黄色の3・5グラムのスプーンを投げ、5秒ほど数えていた。湖面から落とし込んでいると、いきなりヒットした。取り込まれたのは61センチのニジマス。「昨年の3月半ばに釣った43センチを超えました。自己最高の獲物は重かった」と声を弾ませた。

午前中に観光船ワンドで40センチ前後を確保した、比嘉ケンジさん(36=神奈川県愛川町)と千葉達大さん(29=相模原市)は、「岸に向けてキャストした」と声をそろえる。比嘉さんは赤金などの2・5~3グラムのスプーンが主力。2投目で、底付近で最大魚を掛けた後は、宙層でヒットを連発させた。

千葉さんは黒やチャートリュースの3・5グラムスプーンで頻繁にアタリを感じていた。針掛かりがひと息だったため、紫の4センチのバイブレーションにルアーを交換した。「海でカサゴなどの根魚を狙うときに使う。うまく応用できた」と、うれしそうだった。

1日のルアー・フライ限定大会でも、岸側の浅場や桟橋周りで大型がヒットした。エサ釣りも解禁となった2日も、同様の傾向が続いた。

イクラを5号のマス針につけて5匹を釣ったのは、大澤心君。両親と東京都青梅市からドライブがてらやって来た。「ワカサギを釣るつもりだった」と言う。うえ乃桟橋前にボートを固定してのエサ釣り。午前11時と遅めのスタートだったが、約3時間で5匹を釣って、両親を驚かせた。保育園に釣りの好きな同級生がおり、誘われて行ったのがきっかけだった。「アタリが伝わって、自分の手がブルブルッと震えるのが楽しかった。また、やりたい」とこちらは目を輝かせていた。

仁階堂店主は、「解禁当初は放流されたばかりの群れを見つけるのが、型をみるための第1歩。岩盤地帯だけではなく、ワンドなどの砂地の浅場や、桟橋周りを探ってみた方がいい」と、アドバイスしていた。

▼芦ノ湖「うえ乃」【電話】0460・84・8471。出舟は午前6時30分(15日から同6時)、桟橋着午後4時30分。日釣り券1300円、年券1万6500円。手こぎボート2人乗り3500円、同3人4500円。エンジン船半日6500~8500円。同1日9000円~1万1000円。マス類(ニジマス、ブラウン、ヒメマスなど)は1日計15匹まで。18センチ以下のマス類は放流。