ロシアからの寒気団がおさまらないものの、ようやく長野・上田市の山あいにも遅い春がやってきました。渓流でピチピチのイワナやヤマメが釣れますよ。真田十勇士で知られる神川流域を釣り歩いてみませんか? 釣りガール岡田万里奈(25)と渓流歴70年の相吉孝顕さん(85)がゆるーくお伝えします。

こんにちは「オカマリ」こと岡田万里奈です。この取材は1カ月前の4月16日に長野・神川で行ったものです。早めにお伝えしたかったのですが、まだ、ヤマメが機嫌が悪くて、ちょっと釣況を見守っていました。

でもね、信州路、とっても気持ちいいの。今年は暖冬だったから、樹木の葉っぱの育ちも早いみたいでパステルカラーのグリーンが目に優しいですね。相吉さんの紹介で訪ねたのは上田市の旧真田町の周辺です。6つの穴のあいたコインを旗印にする真田家の里ですよね。忍者の猿飛佐助もいたんですよね。なんかワクワクしちゃいますね。

神川の場所は、上信越道の上田菅平インターで降りて北側にGO! 上田市街からラグビーの合宿地でも知られる菅平高原に向かう途中にあるんです。この道、国道144号は地元の武将真田幸村にあやかって「幸村街道」って、いうんです、って。

現地に到着したのは午前10時30分ぐらい。相吉さんが「釣りをする前に腹ごしらえだ」と、案内してくれたのがおそばです。だって、信州といえば、そばとミソですもんね。

「真田」という地元の薫り満載の交差点からすぐ近くの「福田」。つなぎなしの100%そば粉の十割そばですよ。普通盛りなのにすごい量なんです。しかも、薬味の辛み大根が、大人の味ですね。う~、たまらない。午前11時から開店で水・木・金曜がお休みの変則営業だから気をつけてくださいね。火曜でよかった。

さて、いざ出陣です。最初は畑のあぜ道から入る畑山橋の下流からキャストしてみました。田んぼのあぜ道から少しずつ河岸に下っていけます。空気も気持ちいいし、幸村街道からすぐ近くなのに釣り場になってる、ってスゴいなぁ。

暖冬とはいえ、川の水はちょっと冷たいです。相吉さんは「雪代(雪が解けて川に入り込んだ水)ですね。ちょっと濁っている。私はブドウ虫で上流に行ってみよう」。私はフライのドライで下流に行っちゃおう。

相吉さん、スゴいです。イワナ、釣っちゃいました。さすが経験だなぁ。流心から外れた大きな岩の後方に優しく落としたらキュン、って釣れたそうです。フライはちょっと厳しかったみたいで、ここでは反応なし。それで、午後は上流に移動してみました。

菅平高原の方に向かうと雪道のとき、タイヤのチェーンを脱着させる広い駐車スペースがあるんです。「大日向(おおひなた)」という場所で、川幅は狭いんですが、地名のように日光が気持ちよく注ぎ込んでくる。水温も上がってきて表層を攻めるドライ向きですね。

何度かキャストして、ヒットして魚の姿も目で確認できたのに…慌てて合わせてバラしちゃいました。うー残念。多分、イワナ。でも、いい感触が手に残りました。気持ちいい川だわ。

宿泊は支流の角間川上流の旅館「岩屋館」。角間川も狭いけど、いい魚が釣れるんです、って。旅館では山の清水を沸かしたものと、それと湧き出る鉱泉の2種のお風呂があって、どちらも気持ちいい。また、神川、来たいですねぇ~。水温も上がってきたから、今なら元気なヤマメも狙えますよ。【写真&構成・寺沢卓】

▼そば 福田【電話】0268・72・4422。午前11時開店でそばがなくなり次第閉店。薬味とそばつゆはお代わりできる。

▼問い合わせ 上小漁協【電話】0268・22・0813。イワナ・ヤマメなど遊漁は、2月16日解禁で9月30日まで楽しめる。15センチ以下の採捕は禁止。年券6400円、1日券1300円(中学生までは無料)。幸村街道のセブン-イレブンで1日券は販売している。

▼宿泊 日本秘湯の宿「岩屋館」【電話】0268・72・2323。真田一族の隠し湯「角間温泉」で天然炭酸泉。