「第40回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権」(主催・(株)がまかつ)が7日、石川県かほく市の高松北部海岸で行われ、地区予選を勝ち抜いた30選手(シード含む)が参加し、キスの総匹数を競った。午後0時半からの決勝戦は波が落ち着き、速かった流れも収まる中、6選手が1時間半戦い、得意の遠投で7~6色を丁寧にさびいた小島健治選手(大磯海岸)が小竹永泰選手(野積海岸)に3匹差の23匹で念願の初優勝を飾った。3位には米田和人選手(シード)が入った。

「ようやく、勝つことができました。感無量です」。小島選手が、長年追い求めたG杯を手にして喜びをかみしめた。2006年ごろから地区予選に出始め、決勝大会進出は6回目。2015年の第36回大会(徳島・小松海岸)で3位に入ったのが最高順位だった。

「トーナメントは釣りがうまいだけでは勝てない。限られた時間内で数を釣るには場慣れしないと…」。37歳で地元の投げ釣りクラブ「三栄舎」に入会し、競技の面白さにのめり込んだ。6、7月は毎週のように全国レベルの大会に参戦し、技術、周りの選手からの情報収集、駆け引きを磨いてきた。

勝因は、自分の釣り(遠投)が出来たこと。会場は荒れ後で波が高く苦戦する選手も多かったが「ホームの大磯海岸(神奈川)に比べたら、大した波ではありません。普段から高波の中、遠投してキスを釣っていますから。太平洋側はもっと波が荒いんですよ。全然大丈夫です」と笑う。

予選から、エリアの真ん中に入り、両サイドの選手の釣況を分析。近投であまり釣れないことがわかると、得意の遠投で勝負した。キスのサイズが小さい(7~10センチ)とみるや、ワカサギ針によく動くイシゴカイのしっぽ部分(約1・5センチ)を刺してフルキャスト。

小さなエサを丁寧に付けられるようにと毎回、仕掛けを交換し、ペースを乱さずに釣り続けた。7~6色に狙いを絞り、さびいて反応が出れば、止めて待つ。これを、小刻みに繰り返し、匹数を伸ばした。波が落ち着き、流れも収まった決勝戦(1時間半)は10投で素バリなし。最高4連の23匹を釣り上げ「最高のペースでしたね」と振り返る。

優勝インタビューでは「自分の釣り(遠投)がぴったりはまった。1年間この喜びをかみしめ、また来年、楽しみたい。課題は体力。決勝戦が終わるころにはばてていたので筋肉をつけて遠投の技術を維持したい。来年も自分の釣りができれば勝てると思います」ときっぱり。円熟のベテランキャスターが連覇を狙う。【近江康輔】