厳しい寒さもなんの、冬場は管理釣り場がアツい! コロナ禍でも通気性がよい、アウトドアが人気を呼んでいる。先日、河原で鍋などのたき火料理ができ、ニジマスも狙える大阪・高槻市にある「芥川マス釣り場」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)へ出掛けた。ルアー、フライ専用区に行くと、常連がクリーム色の毛針で良型のマスをピンポイントで狙い、30~35センチを5匹食わせてご満悦。ビギナーのグループもスプーンやミノーで好調にロッドを曲げ、釣ったばかりのマスをその場でチャンチャン焼きや塩焼きにしてほおばる姿も。河原でのたき火で暖を取りながらマスの心地良い引きを楽しんでいた。

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芥川の水質の良さが気に入り、週1回のペースで通う常連の庄子亮さん(守口市)が技をみせた。釣り方は中通しのテンカラ竿を使った毛針釣り。「芥川は透明度が高く、マスの姿を目視できるのがとてもいい」と話しながら、マスの鼻先へ毛針を次々に振り込んでいく。毛針は「芥川のマスが最も好む」ブドウ虫に似せたクリーム色の沈むタイプ。基本的な釣り方は時折、誘いをかけながら流れにまかせて毛針を流すというもの。狙うのは30センチ級の良型のみ。放流直後は流れのゆるい下流にマスがたまるそうで、元気のいい小型を食わせて活性を上げ、タイミングを見計らって30センチ超を2匹ゲットした。

マスが水に慣れ、食いが落ちると1時間に1回ほどのペース(養魚場で餌を与えるタイミング?)で訪れる時合に集中。マスの食い気にスイッチを入れるために、ブルブルと動く小型のプラグを群れの中に通し、マスが振り向けば毛針に切り替えて釣果を伸ばしていく。仕上げは、夕方に上流からの餌を求めてマスが瀬落ちに集まりだすとラストスパート。放流ものに加え、居残りの良型もすべて釣り上げ30~35センチを5匹に25センチ級を16匹でフィニッシュした。

芥川はこのようにサイトフィシングでマスの動きを観察しながら釣れるのが大きな魅力。そしてもう1つの人気の秘密はマスの身のうまさ。長野や岐阜の冷たくきれいなわき水で育てられ「焼きもの、酒蒸し、ムニエルにするとすごくおいしいですよ。骨や頭はラーメンのだしに使います。ヒレ以外はすべて食べます。それぐらいうまいです」と庄子さんが笑顔で話す。まさに、釣ってよし食べてよしのニジマス釣り。みなさんもチャレンジしてみてはいかがですか。きっと寒さも忘れて夢中になりますよ。【近江康輔】

【問い合わせ】芥川漁協【電話】072・688・0224。餌釣り、ルアー・フライ専用区ともに遊漁料大人3500円、中学生以下2500円。駐車場1000円。営業時間は午前8時~午後5時。餌常備(イクラ500円、ブドウ虫600円)。炭、薪は500円、コンロと炭セット1000円。貸し竿あり(3.6メートル1000円=保証料500円込み)。

【交通】国道171号利用。高槻市の今城町交差点から府道6号に入り北へ。上の口バス停前のT字路(マス釣り場の看板あり)を左折し同漁協事務所へ。新名神高速道路利用は高槻ICを出て約15分。

【今後の見通し】急激な水温の低下がない限り、餌、ルアー・フライともに順調に釣れ続くと思われる。3月に入り、水温が上がりだし、川辺の虫も増えるとマスの活性がぐんと高まり、最盛期を迎える。放流量は1人2キロ(20~30センチ平均)。2月末までマスのほかにもヤマメやイワナが交じる。