東京湾マダイダービーが16日に終幕し、3匹総重量12・35キロを記録した丸岡丈二さん(43)が63人の頂点に立った。同ダービーは3月13日に開幕。3匹までの総重量、期間中の入れ替え可で争われた。

富浦・共栄丸(笹子宏宣船長=49)を主戦場とした丸岡さんは優勝の感想を「うれしいのもありますが、まずはヒロ船長、おかみさんへの感謝が1番。それから、仕掛けや釣れないときにアドバイスをくれた常連さんにも感謝したい」と話した。2年連続2回目のエントリーで栄冠を手にした。「今年はなかなか大きいのが上がらなかったので、みんなに最後までチャンスがあった。大きいのを1匹上げたら優勝という状況が続いていたので、今年は僕がラッキーなだけです」。

14日に3・7キロを釣り上げた。それまでに4キロ、4・65キロを上げて2位につけていたが、これが決め手となった。「仕掛けは15メートルの1本針で、5号と4号のテーパー。反応があってもなかなか食わない状況だったので、もう少し下を探ろうと思って15メートルにしたらすぐにきた」。この時点で1位だった富永起好さん(48)と同船だったが、「一緒に喜んでくれました」と話した。

15日には2位に入った山田貴之さん(60)が最大5・65キロを釣り上げた。その差はわずか50グラム。「本当に運ですよね。実力とかではない。山田さんは長いことやられていますから。今年は僕の一生分の運を使って優勝させていただいたような感じです」と笑った。

コマセマダイ釣りは2年ほど。意外と歴は短い。「釣りは好きで堤防ではやってきたけど、船酔いするので、沖釣りはなかなか手を出せなかった」という。船酔いを徐々に克服。その中で共栄丸と出会った。「マダイも新潟、伊豆、相模湾と行ったけど、共栄丸さんに初めて行ったとき、たまたま竿頭になった」と振り返り、「ヒロ船長が1投目から最後までずっと魚探に集中しつつ、お客さんにも気を使ってくれた。これがきっかけでマダイ釣りにはまっていきました」。

共栄丸でコマセマダイ釣りに挑む際のヒントを示してくれた。「仕掛けは12メートルが多いですね。僕は、朝一は魚の活性が高いと思っていて、食いもいいと思っているので、他の方が10メートルを使っていたら8メートル、12メートルだったら10メートルと少しだけ短くして狙っています」。

丸岡さんにとってマダイ釣りはとはどんなものなのだろうか。「ボウズ覚悟の釣りだと思っているので、船長に楽しく釣りをさせていただくものかなって思います。釣れれば船長も喜んでくれるし、釣れなければ一緒に悲しんでくれる。そういうものです」と話した。【川田和博】