BS釣りビジョン「釣りうぇ~ぶ」(初回放送金曜午後9時)のMCを務める“おかまり”こと岡田万里奈(28)が、千葉・太東「重宝丸」(渡辺正克船長=64)で、生きイワシを餌にしたヒラメ釣りに挑戦した。この時季に旬を迎えるヒラメだが、特に2月は“寒ビラメ”と呼ばれ、1年を通して最も美味とされている。思い出の重宝丸で大判ゲットなるか?

おかまりのヒラメ初挑戦は16年10月。同船で開催された日刊スポーツフィッシングサーキットに参加。このとき55センチを釣り上げ、準優勝に輝いている。当時の写真を見ると「わ、若い…」とほほ笑んだ。「あのときが一番釣れて10匹。つ抜けでした。それで『ヒラメって簡単』と思ってしまったけど、それ以来はずっと2匹とかなんです」と告白。この日の目標を聞くと、無言のまま笑顔で指を2本立てた。

ヒラメ釣りは約3年ぶりという。「久しぶり過ぎて…。船長、餌の付け方から教えてください!」と直訴。渡辺船長は「うそでしょう~」と笑いながら、「上顎の硬い場所に親針を刺して、孫針は背びれのそばに刺す。どこでもいいけど、俺はそうしているよ」。

ヒラメのアタリの取り方は、俗に“ヒラメ40”といわれる。これは当たってから40秒待てということだ。仕掛け投入から約2時間、ポイントを移動するもアタリらしいアタリがなく、「ヒラメ40ならぬ、2時間待ってもアタリなしですね…」。あまりのアタリのなさに途中、集魚灯までつけたが、時間だけが過ぎていった。

渡辺船長の「あと30分ね」のアナウンスでそれまでの置きザオから手持ちに変えると、すぐさまアタリが来た。「こんなことになるならもっと早く手持ちにすればよかったかな」と苦笑。このアタリは乗せ切れなかった。だが次の1投で、やや小ぶりなヒラメをゲット。「長かった~。ヒラメ5時間ですね」(笑い)。続く1投では「おっ、当たってる、当たってる。イワシが騒がしい。これは、来てますね。まだかな? (合わせて)いい?」でサオを上げるときれいな弧を描いた。

「よし、入った!」。最初のアタリから約30秒後だった。リールを巻き上げ魚影が見えると「おっきい!」。だがここで、無常にも針が外れた。「あっ!」。一同が声を上げたその瞬間、渡辺船長のタモがヒラメをすくった。「やった~。船長ありがとう!」と感謝すると自然と握手していた。上がったのは1・8キロの良型。最後の30分で目標の2匹はクリアとなった。「久しぶり過ぎて全部忘れちゃっていた(笑い)。最後の方でやっと思い出したけど、最初から出来ていれば、でしたね。でも楽しかったです」と、笑みを浮かべた。

渡辺船長は「朝イチにイワシの反応があって、そこでは船団も出来たけど(群れが)小さかった。イワシが入って来てくれれば型も数も期待できます。今後は型も期待できるかな」と今後を予測した。

2月は“寒ビラメ”の本番。座布団級を引き上げよう!【川田和博】

◆岡田万里奈(おかだ・まりな)1993年(平5)7月24日、東京生まれ。15年ガールズバンド「LoVendoЯ(ラベンダー)」のボールカルとしてメジャーデビュー。16年、本紙で釣りコラムの連載開始。19年、ラベンダー卒業。20年7月24日、YouTubeチャンネル開設、今年2月「おかまりチャンネル」に改装。同10月、BS釣りビジョン「釣りうぇ~ぶ」MCに就任。釣りはフライフィッシング愛好家の父の影響で幼少期から接し、今や国内屈指の女性アングラー。血液型AB。

◆重宝丸 【電話】090・8948・6669。港から10~15分ほどの水深約20メートル前後の浅場で楽しめる。漁師でもある船長が、初心者にも丁寧に教えてくれる。集合5時。生きイワシ&氷付き1万2000円。

<釣り歴1年記者も3度目の挑戦>

釣り歴1年となった記者も挑戦。生きイワシを餌にしたヒラメ釣りは昨年2&12月に続き3度目。なお、昨年2月には2・8キロを釣り上げ、これまでの全魚種の中でも最大重量となっている。3回経験して思ったのは、タナ取りの重要さだ。ヒラメは底にいる魚なので、「ベタ底でいいのでは」と思っていたが、ベタ底では根掛かりしてしまう。そこで海底から30~50センチほど重りを上げるのだが、海底には起伏もあり、船も揺れるので、これをキープするのがなかなか難しい。おかまりのような猛者であれば、置きザオでも微調整できるだろうが、初心者には手持ちがオススメだ。もちろん、イワシの異変も感じやすい。

なお、ヒラメはフィッシュイーターでありながら思わせぶりな魚だ。ワラサやカンパチのように餌を一気に飲み込まず、「かじかじ」してから飲み込んでいる。これが“ヒラメ40”と呼ばれる理由だが、この駆け引きこそ醍醐味(だいごみ)だと思う。「もぞもぞ」から「つんつん」を経て、「ぐぐっ!」となったところでサオをゆっくり上げて合わせる。この瞬間がたまらなかった。