茨城・新利根川の日刊スポーツ共栄会「松屋」(松田健一代表=66)で19日、バスプロ茂手木祥吾氏(45)が“難しい”とされる春先のブラックバスフィッシングに挑んだ。

新利根川ではただでさえ“難しい”とされるこの時季に加え、前日の雨で水も濁った。「三寒四温のこの時季は寒暖差が大きいので、水温もその影響を受けます。(水温の)温度差が大きいと魚の活性は低くなります。その上、濁りも入っているので、条件としてはかなり悪いです」と苦笑。過去の経験や当日の気温、風予報などから戦略を練り、導き出した答えは「片道1時間以上の上流がいいようですが、まずは中流を攻めます。それでダメなら下流を攻めてみましょう」。

「朝方は浅場を攻めるのがバスのセオリー」と茂手木プロ。ルアーはミミズを模したワーム「スティーズ ネコ ストレート」を選んだ。理由を「真ん中に針を掛けることで、引いたときに餌となっているエビのような動きを演出できる」と説明した。だが、反応がない。その後、エビを模した「スティーズ ホグ」の10センチほど下にオモリをつけ、川底をたたいて誘う作戦に変更するとファーストバイト。だが、これはルアーをくわえただけだった。「今日は厳しいので、今のを掛けられなかったのは痛いかも…」。

追い打ちをかけるように、地震も発生した。「地震があると魚が釣れなくなるんです」。その言葉通り反応自体少なく、厳しい状態が続いた。中流に見切りを付け、下流のスノヤワラに挑むが、ここでも反応は乏しかった。

昼食を取りつつ作戦を練り直す。「1時間かかるかもしれないけど、上流で勝負しましょう」。真珠ダナと呼ばれるポイントの前に水門があり、田んぼからの水が流れていた。「田んぼからの水はミミズやエビなどの餌が流れてくることが多いので、バスも待っているはず」。だが、どうやら勝手が違う。「水が悪い」。そういうと、さらに上流で逆ワンドとなり流れがない場所で、岸際ギリギリの浅場を「スティーズ ネコ ストレート」で攻めたが、これが正解となった。バシャバシャと水面で跳ねたバスは38センチとやや小型だったが、価値のある1匹となった。

「逆ワンドなので流れがなく、太陽の光で水温が上がりやすい。さらに、流れがないので(悪い水が)沈殿されて水質も良くなる。この2点で狙って掛けられた。取りあえず、1匹上げられてよかったです」。この後、さらに上流でもう1匹を掛け、この日は2匹のヒットとなった。

「今日のようなコンディションは春先はよくある。GW明けから梅雨に入る辺りまで、こんなことが繰り返されるのが、この時季の難しいところです」と茂手木プロは話した。

松田代表は「今日は条件が厳しかった」とし、今後狙うべきポイントは「上流がいい」という。「この時季、下流のスノヤワラ釣れれば大きいけど厳しい」と話した。