モデルでツリジョの“つーちゃん”こと利水つばさが神奈川・川崎「つり幸」(幸田一夫船主=72)で、船でのシロギス釣りに初挑戦した。そのかれんなフォルムから「海の女王」の別名を持つシロギス。昨年はあまりの釣れなさから「東京湾から消えた」とも言われたが、今年は順調に釣れているようだ。つーちゃんがツ抜け(10匹以上釣ること)に挑んだ。

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東京湾では年間通じてアジ釣りを楽しめるが、元々の主役はシロギスだった。そんなシロギスに昨年、異変が起きた。「いいときでもトップ20匹いけばいいところでした」と幸田船主は振り返る。あまりの釣れなさから“絶滅”の二文字がささやかれた。だが、今年は上向き始めている。「ピンギス(10センチ以下のシロギス)も交じっているので、今年は期待できると思います」。

シロギスの釣り方には、主に「テンビン」「胴突き」仕掛けの2種類がある。「初心者であれば、胴突きのほうが仕掛けが絡みづらいです。より広範囲に探れるのはテンビンですが、仕掛けが絡んでしまう危険性があります」という村山克英船長(58)の助言もあって、今回は胴突き1本針を選択。餌はアオイソメ。「2センチくらいにしてください。短すぎるとアタリが出にくく、長すぎると食っても針まで届かないです」と続けた。「着底したらオモリが底を引きずるような感じで寄せて、アタリが出たらサオを持ち上げるように合わせてください」。村山船長に基本的な釣り方を教わるといざ出船。ポイントは“中ノ瀬”だ。

「後半のつーちゃんなので、最初は手順を覚えながらやっていきたいです」。そんな言葉とは裏腹にアタリがきた。「ぶるぶるって来たけど合わせられなかった。餌が大き過ぎて食べられないのかも。1回上げてみます」で上げると、シロギスが付いていた。

「次はイソメの背中側から挿しておなかに針先を出して、ちょっと小さめにしてみます」。この作戦が当たった。その後、アワセもばっちり決めて、順調に数を伸ばす。シロギスに針をのまれ手間取っていると、「親指と人さし指をエラに入れてハリスを引っ張ると取れます」と村山船長からアドバイス。実践するとその簡単さに「お~っ! すごい」と驚嘆の声が漏れた。

2時間ほどでキャスティングもさまになったころ、「乗った! 今のは理想のアワセが決まりました。しかも結構引きます」。上がったのは25センチで、この日船中最大の1匹となった。「大きい! 船長さ~ん、やりました!」と目を輝かせた。

「トイレに行きたいけど、行ってる時間がもったいない」というほど釣りに集中。そのご褒美は最後にきた。村山船長の「あと10分で終了です」のアナウンス。「まだ大丈夫ですよね?」と投げた直後に「終わります。仕掛けを上げてください」で誘いながら回収していると「来た~!!  5秒で来ました! 最短記録です」で、12匹目ゲット。“つーちゃんのツ抜け”は無事達成された。「感無量です。あとはおいしくいただくだけです」と満面の笑みを浮かべた。

この日は「上潮の流れが速く、釣りづらい状況でした。トップで28匹だったので、ここ数日では厳しかったけど、最大25センチといい型が出ました」と村山船長。今後は「今日は水深15~20メートルほどでしたが、6~7月にかけては3~5メートルの浅場で楽しめます。ピンギスが出始めれば数釣りも期待できます」と予想した。

女王を釣り上げて、刺し身や天ぷらでおいしくいただいてみませんか? 【川田和博】

▼つり幸 電話044・266・3189。集合6時、餌&氷&仕掛け1組付きで6500円。この時季はシロギス&アナゴのリレー便、午前&午後LTアジ、タチウオ(餌&ルアー可)に加え、土日祝日限定の夜メバル&カサゴ、希望出船のウイリー五目も受け付け中。※集合時間、料金等は電話でご確認ください。

◆日刊スポーツ共栄会でシロギスを楽しめる船宿▼千葉寒川「小峯丸」電話043・222・6557▼山下橋「広島屋」電話090・8874・4624