“大魔神”こと日刊スポーツ野球評論家の佐々木主浩氏(55)と元ニッポン放送の松本秀夫アナウンサー(61)の釣り対決シーズン2第3戦は、神奈川・久里浜「大正丸」(鈴木喜忠船長=50)で、マダイを対象に行われた。同対決はサンケイスポーツとの共催で、今回は1匹の重量制で争われた。現在、シーズン1から引き分けを挟んで大魔神が5連勝中。果たして、松本アナの反撃はあるのか?

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釣り歴51年の松本アナ。同対決の「マダイ」では、21年4月以降3度の対戦で釣果なし状態。さらに連敗中とあって「今回勝つために、2万円使ってビシなどの道具もそろえたし、大魔神が食いが悪いときに細いハリスに替えているのを見てきたので、自分もハリス2号の8メートルと10メートルの仕掛けを作ってきた」と大魔神にアピール。だが「まっちゃんに2号は無理。オマツリして周りに迷惑だし、仮に掛かってもすぐに切れるから!」と一蹴された。

この日の久里浜沖は強風で波も高く、釣りづらい状態。釣り始めから1時間もたたないうちに、松本アナに高切れのハプニング。ロッドキーパーに掛けたサオが突然外れ、ビシもろとも失った。「買ったばかりなのに…」。復帰まで約30分を要した。

「反応は出ているけど、魚が口を使わない。朝の下げ潮時に食わないと、この後、潮変わりはないので今日は厳しいかもしれない」と鈴木船長。「本当に(マダイは)いるのか?」。大魔神の口からもそんな言葉がこぼれるほどだった。だが、そんな中でも結果を出すのが大魔神。潮の流れが速く仕掛けが流されていると判断し、ハリスを10メートルから12メートルに長くした。また、餌を安定させるために針を9号から10号と大きくし、さらにハリスを真っすぐ落とすためにガン玉を打つなど、持てる技を総動員し、開始から3時間ほどで1・1キロの本命をゲット。「この前に小さなアタリがあったけど、今日持ってきたサオが短め(2・35メートル)だったので、波の上下を吸収するために手持ちにした」という。

一方松本アナは、フグの猛攻と手前マツリに手を焼いていた。大魔神は「まっちゃん手返しが悪すぎ。釣っている時間のほうが短いんじゃないの」というほどだった。

その後、潮の流れが速くなると流し釣りに変更。すると状況は上向き、大魔神は1キロ弱を追加し、乗客のほとんどが当たり始めた。ただ1人、松本アナを除いては…。

ラスト20分。サオの前で手を合わせて祈る松本アナ。「どうか、どうか私に1匹下さい!」。願いが通じたのか、釣りの神様のお情けか、松本アナのサオ先がクンクンと動く。アナウンサー魂から「引いています。これは、これは一体なんだ? あまり大きくないことは分かっている」と実況。ビシが海面に見えると、サオをキーパーに固定せずに取り込み開始。サオがサンスポ川目梢記者を直撃するも、お構いなしにそのまま魚を取り込んだ。上がったのは600グラムとかわいいサイズ(通称「松本サイズ」)だったが、「神様はいました。本当によく来てくれたな~。涙が出てくるよ!」と喜びを爆発させた。

「サイドミラーで見ていたけど、神頼みで釣れるとは…」と鈴木船長。隣の常連客に「こうすると釣れるよ!」と操舵(そうだ)室から出て実演。すると、なんとその常連客もヒット。こうして「拝み倒し釣法」が誕生した。

松本サイズを上げマダイの連敗記録を止めた松本アナだったが、大魔神との対決の連敗は止められず、シーズン2は3連敗。「釣ってうれしいではなく、勝ってうれしいにしてよ」と大魔神。「いろいろと勉強し直した方がいいよ」のチクリに松本アナは「参りました!」と頭を下げたのだった。【川田和博】

■これから大ダイ

取材当日、午前11時ころまで魚群探知機は好反応だったが、とにかく魚が口を使わなかった。「何が気に入らないのかは分からない。マダイ釣りの難しさの1つで、こうなると潮変わりを待つくらいしかない」と鈴木船長。実際に潮が流れ始め「流し釣り」に変えると、一気に食い始めた。

大正丸もTokyo-bayマダイダービーを開催中。「今後、悪くなることはないと思います。ノッコミも始まっています。型狙いは剣崎沖、久里浜沖は数釣りになります」とし、「これから水温が上がれば、もっと浅いところで、大ダイも釣れるでしょう。例年通りであれば4月中旬以降に型が良くなるけど、今年は少し遅れているような気もします」と話した。これからが、大ダイのチャンスかもしれないぞ!

■4宿で5・28まで

「Tokyo-bayマダイダービー」は、神奈川では久里浜「大正丸」、八景「太田屋」、千葉では勝山「宝生丸」、富浦「共栄丸」の4宿で、5月28日まで開催。ルールは3匹の合計重量制で、1度エントリーすれば期間中の入れ替えは何度でも可。また、入れ替えは前記4宿のどこで釣っても可能だ。参加費1000円。約3カ月のダービーはまだまだ始まったばかり。ノッコミで大ダイも見込めるこの時季が好機か? 大ダイを釣り上げて優勝を目指そう!

▼久里浜「大正丸」【電話】046・835・0076。出船午前6時~納竿午後1時。コマセ&氷付き1万500円。※詳細は電話にてご確認下さい。