乗っ込みの大型チヌを狙って和歌山・岩代沖へ先日、切目崎の「庄門丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の伝馬船で出た。ダンゴワークと刺し餌をローテーションしながら、攻め方に変化をつけて、午後2時までに銀ピカの40~48センチを3匹と56センチのコロダイなどを仕留めた。岩代沖のチヌは重量感のあるナイスボディーで、竿の曲がりを十分に楽しんだ。これから水温の上昇とともに、チヌの乗っ込み本番に期待したい。

   ◇   ◇   ◇

午前6時前に親船に引かれ、15分ほどで岩代沖に到着した。アンカーで伝馬船が安定するのを待ってダンゴを15個投入し、ポイントを作る。水深は約15メートルで、底は砂地、岩場や藻場が点在している感じ。潮は白浜方面へゆっくり流れる。まずはダンゴ釣りで魚の活性をチェックする。

「くわせオキアミスーパーハード」を刺し餌に、ダンゴにはミンチサナギ、オキアミをつぶしたもの、アミエビを少量まぜアンコに入れて投入。着底前にも2、3個追加のダンゴを打ってポイントを作っていく。ダンゴの餌出しを確認しながら、刺し餌を浮き上がらせることで中層も探るが反応なし。それならと、ダンゴを10個追加で打ち、オキアミの餌で粘る。

午前8時半すぎに待望のアタリが出た。ダンゴが割れないように穂先を下げてアタリについていき、1メートル50センチほどラインを出す。そして竿を力強く押さえ込んだところでフッキング。何度か締め込まれるが、ポンピングで素早く浮かせると、狙い通り乗っ込みの43センチのチヌだった。

その後、沈黙が続いたが風が沖からか吹き出し、カセが動いたのか、底が荒い感じになった。これはチャンスだと思い、餌をローテーションしながら、ダンゴの割れを確認せず、6メートルほどラインをはわせる。

すると、ダンゴ当たりから穂先に重みが乗り、竿を押さえ込んだので素早く合わせた。強烈な引きで何度かラインが引き出されたので「これは年なしかも」と思いながら、慎重にやりとりをして浮かせたのは56センチのコロダイだった。

納竿15分前、残っていたピンポン球大のダンゴ20個をポイント周辺に打ち、ボケの餌で4メートルほどはわせて待っていると、ゆっくり穂先を押さえ込むアタリ。高速でリールを巻いて浮かせたのは、この日最長寸の銀ピカに輝く48センチ。続けて同パターンで40センチを追加。しかし残念ながら時間切れとなり、午後2時前に納竿とした。【日刊FPC・兼松伸行】

◆ダンゴの配合 「しろまる」2箱に「紀州マッハ攻め深場」「速戦爆寄せダンゴ」各1袋に「チヌにこれだ!!」1本を加え、適量の海水でパサパサに仕上げたもの。これにオキアミ、アミエビ、ミンチさなぎの水分で微調整して使った。

▼ウルトラ競技チヌ 強靱(きょうじん)なハリで、オキアミがずれない。ダブルケンがついていて、大チヌ狙いに最適。

【今後の見通し】今年は水温が低く、乗っ込みチヌの釣れ出しが遅れたので、水温が安定すれば、銀ピカのチヌが釣れ続きそう。ほかにも旬のイサギを中心にマダイなど五目釣りも楽しめる。

【交通】阪和自動車の印南ICを出て、県道28号を南下。印南港の信号を左折し国道42号に入り、切目川を越えて約5分で右手に庄門丸の看板がある。

【問い合わせ】庄門丸【電話】0738・43・0517。岩代沖の伝馬船料金は1人乗り1万円、2人乗り1万2000円、3人乗り1万8000円。(要予約)。出船は夜明け、納竿は午後2時。