本紙野球評論家で“大魔神”こと佐々木主浩氏（55）と元ニッポン放送の松本秀夫アナウンサー（61）の釣り対決シーズン2第4戦が6日、神奈川・本牧「長崎屋」（長崎恵夫船長）のマダコ釣りで行われた。

ルールは1匹の重量。同対決で松本アナが22年2月のシーズン1第12戦以来、実に1年半ぶりとなる勝利を手にした。同企画はサンケイスポーツとの共催で、今回の舞台は同紙推薦船宿となった。

本対決は20年1月にスタート。これまで通算20戦が行われ、松本アナはわずか3勝にとどまっていた。シーズン2に至っては3連敗中。「これ以上負けるわけにはいかない」。そんな気合で挑んだ松本アナが選んだのがマダコ釣りだ。長崎屋のマダコ対決は過去3戦行われ、松本アナは貴重な勝利を挙げている。また、「昨年9月には12匹を釣ってサオ頭にもなった」という験の良い船宿でもある。

大魔神は餌木、松本アナは手釣りのテンヤ＋餌木で挑んだ。開始直後、大魔神がヒット。無言でにやりとしながらリールを巻くが、海面で姿が見えたところでバレた。「いや～悔しい！　合わせきれていなかった。違和感があったらキッチリ合わせないとダメだね」と悔しがった。

この日、台風2号の影響で真水が入ってしまい、乗りは今イチ。我慢の釣りとなったが、そんな中でも結果を出すのが大魔神だ。今度はキッチリ合わせてキャッチしたが、これはリリースサイズ。その5分後にも再びヒット。今度は400グラムでキープ。その横で無言で大きく合わせた松本アナだったが、掛かった海底に沈んだロープの残骸だった。「絶対にタコだと思ったのに…」とほぞをかんだ。

その後も600グラムを追加した大魔神は「松ちゃん、タコはいるよ！」とエールを送った。これを受けた松本アナは船べりで海に向かうと、静かに手を合わせた。これは、前戦マダイ対決の際、ラスト30分で「どうか、私に1匹釣らせてください！」と手を合わせたのが結果に結び付いた秘技「神頼み釣法」だ。それを見た大魔神は「それで釣れて負けたら、納得いかないよな」と笑った。

だが、奇跡が起きた。沖あがりの約40分前。それまで冗舌に話していた松本アナが急に真剣な顔つきで海面を見つめると、腕を大きく振ってアワセた。「本物だ！」と長崎船長。無言で渋糸を手繰り寄せ、最後は長崎船長のタモ入れでゲット。上がったのは1キロの良型だ。「やった～！　でも、正直半分ゴミだと思っていた」と苦笑した。

「大きいのが出るとしたらカニ餌のテンヤだと思っていたけど…」。大魔神は残り時間で一発逆転のために、餌木にカニ餌のテンヤを付けた。だが、無情にもサオがしなることはなかった。

「今回数は3対1でしたが、勝敗のルールは1匹の重量なので、私が勝たせていただきました！　ありがとうございます」とご満悦の松本アナ。負けず嫌いの大魔神は「マダコはこれがあるからな。マダコでリベンジさせて欲しい」と悔しさをにじませた。

本牧沖のマダコは1日に解禁したばかり。長崎船長は、「良い型も掛かってますし、今年は小さいの沸いているので、長く楽しめそうです」と話した。

この対戦の模様は後日、本紙釣り面（関東版）および、ユーチューブ動画「ニッカン釣りちゃん」で公開予定。