千葉・いすみ市大原沖のヒラメが10月1日、全面解禁を迎えた。午前3時過ぎの大原港には、解禁を待ちわびた釣り人たちが集結。満員御礼の23人が乗船した日刊スポーツ共栄会「力漁丸」(中井聡船長=62)で、解禁を追った。

「ここ最近ずっと沖にイワシの反応も出ていたので、そこへ向かうつもりだったけど…」と中井船長。この日は南南西で風速11メートルの強風。「東風が入らなければ出船はできるけど、沖には出られそうもない」。安全を鑑み、水深15メートルの浅場が主戦場となった。

午前5時30分が解禁時刻。2分前、中井船長は「イワシに針をかけておいてください」とアナウンス。中井船長の合図で、23人が一斉にイワシを投入した。船中1匹目はその約5分後。右舷ミヨシから3番目の下里淳さん(50)だった。「型は小さめですが、ほぼ底でグングンと来た」と笑顔。これをきっかけにあちこちで掛かり始め“ヒラメ祭り”に突入。「タモ入れが間に合わないよ!」と中井船長はうれしい悲鳴。約30分で16匹まではカウントしていたが、1時間後には「もう何匹か分からない」となった。

この日が誕生日の武島良浩さん(64)は早々にキロ超を掛けた。「捨て糸は25センチ。底から50センチ上げたらいきなりゴンと来たので、デカいと思った」。その後も釣果を重ねると「いい誕生日になったよ」とご満悦。もう1人誕生日だったのが、指揮者で歌手の岡宏(82)。部分解禁でも同船に乗船していたが、「毎年解禁日は乗っている。今日は餌がいいので、底を早めに切らないとソゲ(ヒラメの小サイズ)が食いついてしまう。餌がもったいないよ」。キロ超含め計9匹でサオ頭も獲得。ベテランの腕前を見せつけた。

午前9時半には1人20匹予定で用意したイワシが底を突き、午前10時半の早上がりとなった。釣果は0.4~2.5キロ0~9匹でサオ頭は2人の船中103匹。ゼロは1人で船酔いだった。なお、昨年の解禁は同所での釣行だったが、0.4~2.2キロ0~8匹で船中57匹だった。

孫針を腹か背のどちらに掛けるかを乗客に確認すると、14人が背掛け、9人が腹掛けだった。中井船長は腹掛け推奨だが、背掛け派は「根があったり、藻があると根がかりが心配」という声が大多数だった。中には「1本針なら腹、トリプルフックは背」と使い分け派もいた。確認できたキロ超4匹中3匹は背掛けだった。中井船長は「ヒラメは下から食って来るので腹掛け推奨ですが、今日のように食いが立っていれば、どちらでも…」と話した。

中井船長は解禁日を「思ったよりも爆釣。風が功を奏したかたちだけど、アタリもバレも多かった。とにかくいい解禁になった」とホクホク。また、「結構近場にイワシがいるので、今年はいいかもしれない」と予測した。【川田和博】

この日の模様はユーチューブ動画「ニッカン釣りちゃん」で近日公開予定。