地方球場でのゲームは、どうしても守備力の差が出やすい。巨人もDeNAも本拠地が人工芝なだけに、慣れない土のグラウンドへの対応には苦労すると思っていた。それでも、ここまで両チームに差が出て、試合が決まるとは想像していなかった。
まず最初に、人工芝と土のグラウンドの心構えについて話しておきたい。一番警戒しなければいけないのは、イレギュラーしたときの対応になるが、いつイレギュラーするかなどを考えても分かるわけはない。そのため、ゴロが飛んできた際、なるべくバウンド数が少なくなるように積極的に前に出ての処理を心がけるというのが、一般的な対処法といえるだろう。
巨人の内野陣は“攻める守備”が徹底していた。5回無死一塁、打席に戸柱を迎え、一塁手の岡本和はベースの手前で守っていた。一塁走者が盗塁の可能性が低い佐野ということもあったが、けん制が来ればタッチできる位置で、ベースから離れた。そのため、守備に集中しやすく、戸柱の強めのゴロに対して素早く前に踏み出して捕球し、セカンドへ送球。素早く一塁ベースに戻り、併殺を完成させた。
6回1死からのサードゴロも、坂本が見事な動きでさばいた。打者は蝦名で足が速い。しかも三塁ベース付近のゴロで、ベースに当たる可能性もある。猛ダッシュでシングルキャッチし、体勢を整える間もなく鋭い送球でアウトにした。
この2つのプレーは「うまい」という表現だけでは片付けられない。土のグラウンドであり、バウンド数を少なくして前に出て捕ろうとする準備があったと思う。
一方、初回2死からセカンドゴロをファンブルした牧のプレーは技術力だけでなく、準備も足りなかった。丁寧に捕ろうとしたのだろうが、横にスライドして動いただけでバウンドに合わせるようなフットワークではなかった。若干、イレギュラーした可能性はあるが、捕ってほしい打球だった。手痛い失点につながってしまった。
今更、守備の技術が急激にうまくなるわけはない。それでも試合前の準備をしていたのか、疑問は残る。アウトにはしたがショートの森敬も、正面のゴロを待って捕りにいっていた。土のグラウンドだから、積極的に前に出て攻める守備をしていこうということを徹底していたのだろうか? 今後も土のグラウンドでの試合はある。やるべきことをやって出るミスは仕方ないと割り切り、攻撃的な守備を心がけるべきだろう。
ここまでのエラー数のトップは阪神の24個だが、DeNAも23個している。土のグラウンドを本拠地にする阪神と、人工芝の球場を本拠地にするDeNAが1個しか違わないというのはいけない。少しでもエラーが減るような対策が必要だろう。(日刊スポーツ評論家)




