宮城・塩釜港の日刊スポーツ新聞社指定「えびす屋釣具店」のジギング(ルアー釣り)乗合船で1月28日、今年一年を占う「みちのく釣りま専科」の初釣りを楽しんだ。小魚に似せたメタルジグで船底直下を狙うバーチカル・ジギング。宮城・大和町の斉藤恒さん(66)が、船中最大のスズキ72センチをはじめ、イナダ(ブリの幼魚)、マサバ、ニベ、カナガシラの「ジギング五目釣り」を達成。船全体ではヒラメ45センチ超もヒットするなど、底ものから中層魚まで多彩なターゲットを攻略した。

 

で、でかい! 午前9時前、左舷船首の斉藤さんのルアーロッドが大きく湾曲した。同船者の注目を集めながら大タモ(玉網)に納まったのはモンスター級の根付きスズキだ。過去マダイ93センチの自己記録を持つ斉藤さんは「底近くをゆっくりとジャーク(ルアーを上下左右に動かす)していたらドーンときて、ガーンときた。大きいと思った」と手応えを振り返った。

塩釜港から航程約1時間50分。夜明け前の海に船を走らせて南下したポイントは、福島県境に近い宮城・亘理町沖から山元町沖にかけた水深25~35メートルライン。第31えびす屋丸の我妻大船長(49)は「高低差のある粒根や漁礁まわりがポイント。根がかりもありますが、底から約10メートル上までを狙うのが基本」と攻略法を説明した。

メタルジグの色と形状は狙うターゲットとポイントによって60~150グラムを使い分ける。タックル(道具)は使用するジグの重さに応じた1・8~2・1メートルのルアーロッドとPEライン3号を200メートル以上巻き込める中型スピニングリールが扱いやすい。さらにリーダー(先糸)としてフロロカーボン8号を3~4メートルほど接続。えびす屋釣具店では1セット1000円(メタルジクとハリは別売)でレンタルできる。

釣り方はジャーク&フォールの繰り返し。底狙いでは小魚に似せたメタルジグを大きくゆっくりとシャクリ上げ、糸ふけを作って落とし込みながら巻き上げるスロージギングが一般的。メタルジグが弱った小魚のようにヒラヒラと落ちていく時にヒットするパターンも多い。ハリはシングルフックが基本。アシストフックとしてメタルジグ接続部(フロント)に1、2本セットするのがポピュラーだ。

水温低下で食い渋り気味だった今回は、斉藤さんがゼブラ模様のシルバー系のメタルジグ130グラムで五目釣りを達成。船全体でも鈴木和幸さん(58=仙台市太白区)がヒラメ45センチ超、野口誉晄さん(39=宮城・塩釜市)も良型イナダをゲットするなど、何がヒットするか分からない多彩なやりとりを楽しんだ。【佐々木雄高】

 

◆えびす屋釣具店 「第31えびす屋丸」を含めて東北屈指の計8隻の遊漁船を所有。季節ごとに数種類の乗合船を常時運航する。係留場所(乗船地)は塩釜漁港・まがき岸壁。現在の乗合船は午前5時集合で準備が整い次第、出船。ジギング乗合船は五目狙い、マダラ狙いともに1人1万1000円。ほかにエサ釣りのカレイ主体の五目釣りは同9000円(アオイソメ1パック付き)。ヒラメ釣りは同1万1000円(生きイワシ付き)。予約、問い合わせは電話0223・62・2220