磯釣り界のレジェンドで日刊釣りペンクラブの鵜澤政則氏(72)が、千葉・金谷「岡澤釣具店」(岡澤裕治代表=46)が渡船する沖磯「イタド」に挑んだ。鵜澤塾メンバー宇畑好二氏(58)、白石英一氏(51)も同行し、今季の展望を占った。

金谷沖磯の3大ポイントの1つ「イタド」(左)。右は「ハナレ」
金谷沖磯の3大ポイントの1つ「イタド」(左)。右は「ハナレ」

★無理難題を依頼

金谷の沖磯といえば、まず思い浮かぶのはクロダイ&メジナだが、イシダイも顔を見せているという。上物と底物を同時に狙うことはほぼないが、今回この無理難題を鵜澤氏に依頼。「そもそもイシダイを狙うには2カ月早い」と苦笑しつつも、イシダイ担当の白石氏の助言もあり「イタド」での挑戦となった。鵜澤氏は同所を「カブト、平島と並んで金谷沖磯の3大ポイントの1つ。潮通しが良いのが特徴」。鵜澤氏と宇畑氏がフカセ釣りでメジナ&クロダイ、白石氏はぶっ込み釣りのイシダイ狙いでスタートした。

白石氏と鵜澤氏の仕掛け
白石氏と鵜澤氏の仕掛け

鵜澤氏は北西側、宇畑氏は南側で勝負。「ここは目の前に根があるから長めのサオが必要」と鵜澤氏は5・7メートルのロッドを用意。「水深は浅いので仕掛けは沈めない。ハリス4メートルくらいで真ん中あたりを狙います」。下げ潮だったが潮が流れていないとみると、「基本は付け餌とコマセを同調させること。特に潮が流れていないときは、ウキの付近にコマセをまいて魚を寄せる」。開始早々30センチ超のメジナをゲット。その後はほぼ入れ食い。「このサイズの入れ食いもあるのが金谷の沖磯」と話した。

クロダイ&メジナ狙いの鵜澤政則氏は、宣言通り両本命ゲット
クロダイ&メジナ狙いの鵜澤政則氏は、宣言通り両本命ゲット

同じくメジナ&クロダイ狙いの宇畑氏は、この日最大の41センチメジナをゲット。「水温が下がったせいか食い込みが浅いので、少し送った方がいい」。その後はクロダイ狙い。「メジナは宙層、ベラは底、その少し上にクロダイがいる。何でもいいから魚を掛けていくことで、魚が答えを教えてくれます」と話し、手を替え品を替えで挑むも結局クロダイの顔は見られなかった。


★“春は陸を向け”

そんな宇畑氏をよそに「こっちが気になる」と、鵜澤氏は東側に移動。すると2投目でクロダイらしきアタリ。「たたいてる。来たんじゃないの?」。海面にその姿を現したのはまさにクロダイ。「以前、そこで大物を釣っていましたよね。釣りそうな予感がしていた」という宇畑氏に、鵜澤氏は「“春は陸を向け。秋は沖を向け”というけど、まさにその通りとなった」。レジェンドの経験が、この時季のイタドでは貴重なクロダイを引き寄せた。

ポイント移動後の2投目でクロダイを掛け取り込む鵜澤澤政則氏
ポイント移動後の2投目でクロダイを掛け取り込む鵜澤澤政則氏
金谷の沖磯「イタド」に挑んだ左から白石英一氏、鵜澤政則氏、宇畑好二氏。見事、本命3種をゲット
金谷の沖磯「イタド」に挑んだ左から白石英一氏、鵜澤政則氏、宇畑好二氏。見事、本命3種をゲット

この日、3人は半日でメジナ28匹、クロダイ1匹、イシダイ4匹を確保。鵜澤氏は「メジナはまさに今が狙い目。クロダイは1カ月後、イシダイは2カ月後あたりかな」と予測した。この日、平島ではメジナ&クロダイが爆釣。今後が楽しみだ。【川田和博】


■イシダイ狙い白石氏 ジンガサでヒット

イシダイ狙いの白石氏は2本出しで勝負。用意していた餌をガナズとサザエから、イタドの岩場に付着していたジンガサに変えると、すぐさまヒット。「やっぱり地のモノが強い。魚も食べ慣れた餌の方がいいということ」と鵜澤氏。白石氏も「4匹は自己最多タイだけど、この時季に釣れたことに意味があります」と胸を張った。

「イタド」に自生するジンガサ
「イタド」に自生するジンガサ

■コーヒーブレークも重要「磯を休ませる」

鵜澤氏は「コーヒーブレークも磯釣りの重要な要素の1つ」と笑った。メジナが入れ食い状態となり、早々につ抜けを達成すると、持参した携帯こんろでお湯を沸かしコーヒーを楽しんだ。「自分が休むとか気分転換の意味もあるけど、それよりも大切なのは磯を休ませること。休ませることで状況も変わる」とした。


▼金谷「岡澤釣具店」【電話】0439・69・2232。出船は午前6時ころ。渡船料4000円。※出船可否および詳細は要電話確認。

◆磯および堤防釣りを楽しめる船宿

▼野島「村本海事」【電話】045・781・8736▼石廊崎「橋本屋」【電話】0558・65・0108