“アニキ”こと俳優の哀川翔(62)が、神奈川・川崎「つり幸」(佐藤和規船長=24)でタチウオ釣りに挑戦した。タチウオには餌(テンビン)、テンヤ、ルアーの3つの釣り方があるが、今回は餌釣りでチャレンジ。取材時は三寒四温の難しい時季に加え、正午から冷たい雨。だが、それ以上の悲劇がアニキを襲った。

タチウオ釣りを楽しむアニキだったが、この後…
タチウオ釣りを楽しむアニキだったが、この後…

★活性低い時季 リールを巻かずしゃくって誘う

つり幸のタチウオ釣りには、釣行調査担当としてくわ(くわは卉の下に木)原和哉氏(20)がほぼ毎回乗船する。これは、獲物の動向を探るためだ。アニキはそのくわ原氏から直々に、この時季の釣り方を伝授。


「基本は指示ダナの幅にテンビンとオモリが入るようにして、サオ先を45度下げ、水平まで空アワセのようにしゃくって誘う。でもこの時季はリールを巻かない。根気良く同じ場所で探る方がいいと思います」とくわ原氏。アニキは「しゃくって巻いて、タチウオが追って来て食うイメージだった」という。記者もそのイメージだったが、くわ原氏によれば「それは活性が高い時季の釣り方になります」とのことだった。


くわ原流を伝授されたアニキは、開始10分で本命をゲット。「巻かないで止めて、同じ場所で何度かしゃくったらホントに来たよ」。その後は立て続けに4匹ゲット。だが、「どんどん小さくなっているよ」と苦笑しつつも、「でもさ、釣れないよりは釣れた方がいいからね」とほほ笑んだ。


そんなアニキを突然の悲劇が襲う。アタリを感じたアニキはそのまましゃくり続け、食い込みを待った。そして合わせた瞬間、「あっ~!」と悲鳴にも似た叫び声。「切られた。高切れだよ。めっちゃいい手応えだった。今日イチのアタリだったのに」と悔しがった。


鋭い歯を持つタチウオがラインのマーク部分にアタックし、高切れすることはよくある。この時点では誰もがそう思っていた。だがその後、合わせるたびにラインを切られ、なんと計6回の高切れとなったのだ。「長いこと釣りをしているけど、こんなの初めてだよ」。失礼を承知で「このPEはいつごろから使っていますか」との記者の質問には、「1年はたっていない。劣化はしていないはず」だった。


これまで高確率で結果を出してきた残り30分の“翔タイム”も、今回ばかりは勝手が違った。結局、6連続高切れ後に3匹を追加し、計7匹をゲット。「でかいのが欲しかった。俺の指で4本止まり。5本は欲しかった」と振り返り、「リベンジ確定だな」と闘志をみせた。【川田和博】

高切れ6回の大トラブルにもめげず7匹をゲットしたアニキ
高切れ6回の大トラブルにもめげず7匹をゲットしたアニキ

■高切れ6回連続の原因を探る

アニキの高切れの原因は一体何だったのだろうか? まず第一に考えたのがPEの劣化だが、アニキによれば「それはない」だった。佐藤船長とくわ原氏は「劣化の可能性もあるが、1年ほどであれば考えにくい」と同意見。


ジャッカルプロスタッフ宮本英彦氏(69)に見解を求めると、「1・5~2号であれば経年劣化は考えにくい。あるとすればオマツリ。特に太さが違うと、細い方が確実に傷む」という。確かに、アニキも何度かオマツリはしていたが、6回全てではなかった。「縁起が悪いし、さすがに巻き直す」と苦笑するアニキだった。


PEの交換時期について宮本氏は「月1程度の釣行であれば、しっかりメンテナンスをすれば2年は持つでしょう」。メンテナンスは簡単だ。「PEは海水につかるので、釣行後は真水で洗い流す」。また、紫外線が大敵なので、直射日光のあたる場所での保管は避けた方が良さそうだ。


■マーカーで確認

つり幸タチウオ釣行調査担当くわ原氏のこだわりとテクニックを紹介する。


▼逆テーパー仕掛け タチウオは歯が鋭いのでハリス4~6号に12~14号の太めのハリスを連結し強度を上げる。この時サルカンなどオモリ効果になるものはつけず、電車結びなどで直結する。


▼テンビンのアームはストレート アーチとストレートの2タイプがある。アーチタイプはクッション性はあるがアタリがぼやけるため、感度重視でストレート。アームが海底を向いたY字が放されにくい。


▼シビアな時季だからこそタナは糸で確認 この時季は同じタナで何度も誘う必要がある。カウンターだと狂いが生じるので、指示ダナは必ずラインのマーカーで確認する。


▼ネチネチ釣法 指示ダナでしゃくったら最初は5秒止める。アタリがなければ次は10秒止める。これを何度も何度も繰り返すが、そのときにリールは巻かない。食いが良ければ4分の1回転巻く。


▼しゃくっている最中にアタリ 違和感があったらサオをゆっくり上げて巻き始める。テンションを抜くと外れてしまう。


▼しゃくりスピード 経験上、速めの誘いは型が小さく、ゆっくりめは大きい。

良型ゲットのタチウオ釣行担当■(■は卉の下に木)原和哉氏
良型ゲットのタチウオ釣行担当■(■は卉の下に木)原和哉氏
つり幸推奨 餌タチ仕掛け
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▼川崎「つり幸」【電話】044・266・3189。集合午前6時、出船同6時50分。氷&仕掛け1セット付き1万円。この時季は半日LTアジ、シーバス、トラフグも出船。※詳細は必ず電話で確認ください。

◆タチウオを楽しめるオススメ船宿

▼千葉寒川「小峯丸」【電話】043・222・6557

▼八景「太田屋」【電話】045・782・4657

▼新安浦「長谷川丸」【電話】090・6021・5919

▼久里浜「大正丸」【電話】046・835・0076

スギさんは釣り仲間最大の110センチ超ゲット
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