東京・西新宿にある「プライベートケアクリニック東京」名誉院長の尾上泰彦医師は、こう力説する。

 「淋病(りんびょう=淋菌感染症)の特徴は、男性で症状が激しいということです。そのため淋病は性感染症の王様と呼ばれています。かかりやすいのは10代後半から30代にかけての性活動が盛んな若者。患者は女性よりも男性のほうが圧倒的に多いです」

 淋病はまず、感染から約2~7日後、外尿道口(おしっこの出口)からウミが出てくることが多い。

 「黄色あるいは白色の分泌物です。そして、おしっこをするときに痛みがあるのがポイントです。痛みは軽いものから激しいものまでありますが、そのまま放置していると、精巣上体炎を起こし、睾丸(こうがん)が腫れて、入院することもあるのです。一方、女性の場合も尿道口からウミが出て、排尿時には激しい痛みがある。おしっこのし始めが痛い」(尾上医師)

 女性の膀胱(ぼうこう)炎との違いは、淋病は排尿の始めに痛みがある。

 「膀胱炎ではおしっこの終わりに痛みがあるのです。排尿終末痛といいますが最後にギューッと痛みます」(尾上医師)

 「バルトリン腺」や「スキーン腺」の炎症にも注意したいという。

 「女性が性的に興奮すると無色透明な液が分泌されるのがバルトリン腺です。膣(ちつ)口の下部外側、両側にあります。一方、スキーン腺は外尿道口の両側に開口部があります。ばい菌はこうした小さな穴を好んで入り込んでしまいます」(尾上医師)

 子宮けい管炎、骨盤腹膜炎、不妊症、子宮外妊娠の原因になる。そのため、下腹部の痛みや不正出血に注意してほしいと尾上医師はアドバイスしている。