・強さの秘訣(ひけつ)は怒りのコントロール

 テニスのロジャー・フェデラー選手といえば、世界のトッププレーヤー。

 30代半ばになっても17年ウィンブルドンを制し、17、18年は全豪を連覇しています。無敵の強さです。

 しかし、かつて彼はカッカするタイプで、自分の怒りでゲームを台無しにしていた。ラケットを壊すなどマナーも悪く、人気もなかった。その彼がアンガーマネジメントをレクチャーされてから強くなった。

・怒りの強さ、回数が問題

 人はだれでも怒りにかられるものです。怒ってもいいのです。しかし、怒りの回数、強さ、時間、この3つに気を付けなければいけません。

 あまりにもしょっちゅう怒っていると、人から信用されません。怒りの強さが強すぎると人間関係が壊れてしまいます。怒っている時間が長すぎると、「いつまでも根にもつ人」などと言われてしまいます。

・怒りの「6秒ルール」

 怒りをコントロールする方法があります。ぼくは「6秒ルール」と呼んでいます。怒りに関係する神経伝達物質ノルアドレナリンの分泌は6秒でピークになる。6秒待つと、怒りはだいぶ穏やかになります。

 6秒たっても怒りをやり過ごせないなら、一服しましょう。コーヒーやお茶を飲んで気持ちを落ち着けて、自分の主張を相手に伝えればいいのです。

・ひと晩寝てから怒れ

 それでもダメなら最後の切り札は「ひと晩寝て待て」です。ひと晩寝ると、覚えておくべきものと忘れていいものなど、記憶の仕分け作業が行われ、感情の整理もできます。翌日は、建設的にふるまうことができる。人生100年時代を生き抜くためには、ストレスを爆発させない生き方を身に付ける必要があるのです。