★ムダなED治療がある
アメリカの医学界では、男性には関心の高いED治療については「男性ホルモンのテストステロン値が正常な男性のED治療に、テストステロンを使用しても、性欲は上がるが勃起力は上がらない」と言う。
つまり、ED患者さんに男性ホルモンを使えば必ず元気が出るというものではなく、原因をきちんと調べるべきだと言っています。
★ムダな血糖値測定
糖尿病については、「インスリン不使用の糖尿病2型患者が家庭で血糖値測定するのはほとんど意味がない」としています。
糖尿病の患者さんで、インスリンの自己注射をしている場合は、血糖値の微妙な変化を知るために血糖値測定が必要になりますが、インスリン注射をしていない場合は必要ないのです。
★ムダな検査が多すぎる
「軽度のぜんそくや気管支炎の子どもにエックス線検査をするのは無駄」。不要な検査で、子どもに余分なエックス線を当てて被ばくさせてはいけないのです。
「頭部を打ったからといってCT検査をするのはほとんど無意味」というのもあります。日本ではCT検査をやりすぎている。
★ウイルスに抗生物質は?
「ウイルス性の副鼻腔(びくう)炎などに抗生物質を多用するのは無駄」。ウイルスに抗生物質は効きません。日本では抗生物質を出しすぎています。
「頭痛の原因を調べるための脳波検査は無駄」これもその通りです。
ぼくはこうした不要な検査、無駄な治療をやめて、必要な治療を受けてもらえるようにするために、「検査なんか嫌いだ」(集英社)「だまされない」(KADOKAWA)という本を書きました。
健康や命を守るには、検査よりも身につけた生活習慣を少し良い方向へ変える行動変容が大事なのです。