女性や若者の間ではやっている「スムージー」(凍らせた果物や野菜を使ったシャーベット状の飲み物)。手軽にいろいろな栄養素をとることができ、時間がなくて朝食がとれない人には、かっこうの朝ごはんかもしれません。

 しかし、同じスムージーでも、朝にとらないほうがいいものがあります。それが、グレープフルーツやオレンジなどかんきつ系や、野菜ではパセリやセロリを使ったグリーンスムージーです。

 それらに含まれているソラレンという成分は、紫外線に反応してシミ、そばかすやくすみを濃くする可能性があるからです。

 勘のいい人はすぐに思い浮かべたかもしれませんが、美容にいいとされるレモンパックも、外出前はやめたほうがいいでしょう。レモンにもソラレンは入っており、ソラレンを肌に染み込ませた状態で紫外線に当たると、紫外線を吸収しようとはたらきかけ、シミやくすみが濃くなってしまう可能性があるのです。

 「じゃあ、キュウリパックならいいでしょう?」と思うかもしれませんが、それもNG。キュウリにもソラレンが入っているのです。

 ですから、お肌のことを考えるなら、ソラレンが多く含まれているグレープフルーツやオレンジ、レモンのかんきつ系やセロリを食べるのは、夕方以降にしましょう。

 スムージーを「どうしても、朝にとりたい」という人は、トマトやアロエを使ってください。トマトに含まれるリコピンは、紫外線によって増えるメラニン色素の生成を促す活性酸素のはたらきを抑えてくれます。また、アロエに含まれているアロエシンには、メラニン色素をつくる物質チロシナーゼのはたらきを抑え、メラニン色素を肌の外に排出する効果があるのです。

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。