<インフルエンザ対策>

医療機関から、インフルエンザの流行開始が報告されています。早めに備えましょう。そこで、風邪に関する医学クイズです。ウソかホントでお答えください。

Q 風邪をひいたら、ビタミンCをたくさんとると早く治る

A ウソ

ビタミンCをたくさんとることで、風邪そのものがよくなることはありません。「ビタミンCが風邪に効く」という説を唱えたのは、米国の医学博士、ライナス・ポーリング博士の「ビタミンCと風邪」という本がきっかけですが、実証されませんでした。ただ、風邪の治療には効果がなくても、予防に対しては、少なからず効果があると報告されています。

Q 女性は男性より、風邪をひきやすい

A ホント

気象情報会社のウェザーニューズが、「この1年間で何回、風邪をひきましたか?」という調査をしたところ、男性は平均2・01回でしたが、女性は2・52回という回答結果でした。同ニュースは、「女性には、冷え性が多いので、男性よりも風邪をひきやすい」と解説しています。冷え性、つまり体温が低い傾向にあると、ウイルスと闘う白血球の機能も衰え、免疫力も落ちるのではないかといわれていて、風邪をひきやすいということなのかもしれません。

Q 風邪になったときに、抗生物質は必要

A ウソ

抗生物質は、細菌に対しては効果がありますが、ウイルスに対して効果はありません。多くの場合、風邪の原因はウイルスであるので、細菌を対象とした抗生物質は効果がありません。

Q 風邪をひいたら卵酒が効く

A ウソ

お酒は、粘膜を乾燥させたり、炎症を拡大させたり、風邪に対して、あまりいいことはありません。

Q 風邪をひいている時の入浴は避けるべき

A ウソ

風邪の時に入浴をした人たちと、しなかった人たちで、治るまでの日数に差がないということもわかり、風邪の際に入浴してはいけないという医学的根拠はないことがわかりました。高熱が出ていたり、強い悪寒がしたりする状態では、軽くシャワー程度で済ますのが無難です。体力を消耗しないよう長風呂は避けたほうがいいでしょうし、水分補給にも注意が必要です。

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビ、ラジオでコメンテーターとして出演多数。テレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修をドラマ立ち上げの時から務め、今年10月に新シリーズを迎える。気分転換は週2回のヨガで、15年あまり継続。インスタグラムdoctormorita、ホームページmorita.proなどで情報発信中。