北里大学北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟氏が、「ウィズコロナ時代」のロカボ(緩やかな糖質制限)について解説します。ロカボの語源は「Low(低い) Carbohydrate(炭水化物などの糖質)」。新型コロナウイルスとの共生で新しい生活様式が求められる中、食事に気を付けながら、毎日楽しく食べて健康になりましょうと、勧めています。

  ◇    ◇    ◇

ロカボ(ゆるやかな糖質制限)を楽しむ上で、気を付けたいのはウスターソース、特にとんかつソースとケチャップです。果物や野菜のジュース、ピューレに塩、砂糖、酢などを加えたウスターソースは糖質が多く、そこにさらに水あめや砂糖を加えたとんかつソースはベトベトするほどの糖質があります。

食品成分データベースを見ると、100グラム当たりの糖質はウスターソースが23・8グラム、とんかつソース(濃厚ソース)は30・9グラムもあります。ロカボは揚げ物OKですから、唐揚げなどどんどん召し上がっていただきたいのですが、薄力粉、パン粉を使うとんかつは糖質があります。そこにとんかつソースをかけると、糖質過多になってしまうのです。

とんかつ屋さんの中には、肉のおいしさと揚げたての食感にこだわり、濃厚ソースではなく、塩やおろしぽん酢で味わわせる店があります。ロカボでも、とんかつを食べたいときは、ころもを薄めにして、おろしぽん酢か塩で楽しんで下さい。約30グラムで収まります。

トマトが濃縮されたケチャップも糖質が多い食品で、100グラム当たり22・6グラムあります。「糖質が気になる人」向けに糖質、塩分、カロリー2分の1をうたったハーフが販売されています。これなら100グラム当たり10・7グラム、大さじ1杯(15グラム)で1・6グラムです。

ドレッシングも、ノンオイルドレッシングは、油のうまみ、コクを使えないため、糖類や塩で味を調整しています。塩分が濃いと、主食が食べたくなります。日本人の塩分摂取量と糖質摂取量は正の相関で、一方が増えると、もう一方も増えます。ロカボでは、ドレッシングはノンオイルではなく、油をしっかり使った物を。もしくはオリーブ油やごま油、マヨネーズをお勧めしています。