コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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今春から夏にかけてのコロナ自粛で体重が増え、改善する間もなく食欲の秋へ。さらに体重が増えて「コロナ太り第2弾だ!」と危機感を強めた人がいる一方、少々体重が増えてもよいと思う人もいる。だが、自覚症状がなくても、体重増加は体内に異変を引き起こす。

「食べ過ぎや飲みすぎなどで、体重が3~4キロ増えた人の肝臓を超音波検査で診ると、肝臓に脂肪がたまっていることが多い。単に脂肪肝という話ではなく、軽度の糖代謝異常や脂質代謝異常も起こし、生活習慣病の予備軍につながります」と、東海大学医学部基盤診療学系健康管理学の高清水眞二准教授。肝臓専門医で、脂肪肝や肝炎の診断・治療を得意としている。

国内で肥満といわれるのは、BMI(体格指数=体重キログラム÷身長メートル2乗)で「25」以上の人。身長170cmの人は体重73キログラム以上が該当する。仮に身長が170センチで体重67キロだった人が、71キロになっても肥満とはいえない。ところが、余分な脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪のみならず、本来たまる場所ではない肝臓にも蓄えられるようなことが起こる。肝臓に脂肪がたまると肝機能の働きは落ちてゆく。

「肝臓は糖質を処理しますが、その能力が落ちると血中の糖質、すなわち血糖値が上がります。持続すると糖代謝異常につながる可能性があるのです。また、過剰な糖質が中性脂肪に代わって増えることで、脂質代謝異常のリスクもあります」

食べ過ぎはやめ適量を意識しよう!