脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が30%以上たまった状態。体重はそれほど増えていなくても、脂肪がたまって肝臓が太ったイメージだ。メタボとも関係が深い。

「近年、脂肪肝の人は増加傾向にあります。男性の約4割、女性は約2割、子どもの脂肪肝も増えて問題になっています」と、東海大学医学部基盤診療学系健康管理学の高清水眞二准教授。肝臓専門医で、長年、数多くの脂肪肝や肝炎の診断・治療も行っている。

「肥満症の増加に伴い子どもの脂肪肝は増加傾向です。生活環境の影響が強い一方、遺伝的要因の関与も考えられています。脂質代謝異常が始まり、内臓脂肪がたまり、酸化ストレスも増えた結果、子どもでも成人する前に肝硬変まで進行した症例が報告されています」

酸化ストレスは、活性酸素による細胞のダメージで、血管や臓器、肌など、さまざまな部分に悪影響を及ぼす。血管の動脈硬化も、酸化ストレスによるところが大きい。肌のシワもしかり。

「遺伝的な面はあっても、食生活の見直しで脂肪肝は改善する可能性があります。放置するのがよくありません。お子さんの脂肪肝の改善には、ご両親の食生活の見直しが不可欠です」

食事は腹八分目を心掛けることが大切。間食や飲酒は脂肪肝が改善するまで控える。また、中性脂肪を燃焼させるために、有酸素運動も役立つという。

「1日5分~10分のウオーキングを3回~6回、1日トータル30分。週で合計200分を目指しましょう」