コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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体重が増えて肝臓に脂肪がたまる脂肪肝になると、メタボリック症候群への第1歩になる。脂肪肝が代謝異常を後押しするからだ。肥満と診断されていなくても、脂肪肝を放置するのはよくない。その予防や改善に腸内細菌が関わることがわかってきた。

「近年、腸内細菌と脂肪肝の関係が報告されるようになりました。肥満になると腸内細菌叢(そう/多種多様な細菌の集団)が変化します。それが肝臓へ悪影響を及ぼし、脂肪肝や非アルコール性脂肪肝炎、肝がんなどに関わるのです」とは、東海大学医学部基盤診療学系健康管理学の高清水眞二准教授。脂肪肝や肝炎の治療を得意とする一方、東海大学医学部付属病院健診センターで、多くの受診者の健康指導を行っている。

腸内細菌が産生する物質は、腸管を動かす原動力となり、免疫細胞を強化し、生活習慣病や認知機能などの予防に関与することは、さまざまな研究で報告されつつある。そのひとつとして、注目されているのが脂肪肝や非アルコール性肝炎と腸内細菌叢の関係だ。腸内細菌や産生物質が、血管から肝臓に到達して悪影響を及ぼすことで、太っていなくても脂肪肝になることが明らかになっている。

「脂肪分が多く野菜が少ない食事は、腸内細菌叢を悪い方向へ変化させます。ヨーグルトなどの乳酸菌を含む乳製品はもとより、腸内細菌のエサとなる野菜もたくさん食べましょう」

腸内環境を整えて肥満も脂肪肝も撃退しよう!