コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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新型コロナウイルス感染症の第3波到来で患者が増え続けると、別の病気の診断に必要な検査を受けられなくなる恐れがある。そのひとつが内視鏡検査だ。

「昨春の緊急事態宣言から夏にかけて、医療従事者の感染リスクが高いため、日本消化器内視鏡学会より、緊急性の高い症例以外は、内視鏡検査を控えるように提言されました。8月には再開しましたが、今後、コロナ患者が増えるとどうなるか、分かりません」とは、がん・感染症センター都立駒込病院の神澤輝実院長。「がんと闘う病院 都立駒込病院の挑戦」(講談社刊)を昨年8月に出版するなど、患者や家族が、がんと闘うためのサポートにも力を注いでいる。

「新型コロナウイルスは、小腸で増えて便中にたくさん排出されることが、研究報告されています。結果として、大腸内視鏡検査は、医療従事者の感染リスクが高いのです。感染防止に努めながら、現在は実施していますが、感染拡大になると難しくなります」

胃内視鏡検査でも、内視鏡を口から入れるときに飛沫(ひまつ)が飛ぶことで、やはり医療従事者の感染リスクを高める。しかも、新型コロナは、感染しても無症状の人がいるため、発熱やせきなどの症状がなくても、飛沫や便にウイルスを放出する可能性があるのだ。感染拡大が続けば検査は難しくなる。

「感染者数を抑え、医療崩壊を防ぐためにも、ぜひ手洗いやマスクなど、1人1人が感染予防に努めていただきたいと思います」

※この内容は昨年11月の取材に基づきます。