男性ホルモン(テストステロン)が減少して、うつ病と間違えられる「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」の治療は「テストステロン補充療法」が中心です。その治療を補うために、患者自身が行う生活習慣の改善も大きな力となります。今回は「食生活の改善<1>」です。

何か特別なものを食べないと男性ホルモンはアップしない、と思っている人が多いかもしれない。でも、そのようなことはありません。

ごく身近にテストステロンをしっかりアップさせる食材があります。それは、「タマネギ」と「ニンニク」です。

タマネギとニンニクには「含流アミノ酸」が多く含まれています。含流アミノ酸はテストステロンをアップさせることがわかっています。

そして、より上手に含流アミノ酸を摂取する食べ方も知っておくべきです。タマネギは切って素早く料理をするのがポイントで、薄く切って生のままサラダで食べるのがベスト。また、切ってすぐに肉と炒めた場合は、煮汁も食べましょう。ニンニクは丸ごと温めて食べるのがベスト。コロナ禍とあって自宅にいることが多いので、「ニンニクのホイール焼き」にもチャレンジしてみるといいでしょう。

このほか、「カキ」や「ウナギ」、「ナッツ類」もお勧め。これらには亜鉛が多く含まれています。

「抹茶」も亜鉛を含むミネラルが豊富なので、リラックス効果も期待できコロナ禍にはピッタリ。亜鉛は男性には欠かせない栄養で、その不足は貧血、ED(勃起障害)、抜け毛、薄毛の原因にもなるので、それをしっかり知って食しましょう。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)