■頭の切れを良くする

昼食に、牛丼の大盛りを食べた。あるいは、ラーメンを食べた。午後になると、眠気が襲ってくる。仕事をしていても、なかなかいい考えがひらめいてこない。頭の回転が鈍くなってしまう。

これはなぜでしょう。白米や麺で、血糖値が急上昇し、インスリンが分泌されて、血糖値を下げようとするためです。急激に上がったものが下がっていくときに、頭の回転が悪くなるのです。

眠気を防ごうと缶コーヒーを飲む。砂糖入りだと、ここで急激にまた血糖値が上がります。一瞬、気合が入ったような感じになりますが、上がった血糖値を下げようとする働きが再び働き、パフォーマンスが悪くなる。

■血糖値を急激に上げるな

血糖値は、急激に下がることがいけないのですが、急激に上がった結果として下がるのです。急激に上がる高血糖が、動脈を傷つけ、動脈硬化がおきます。急激に血糖値を上げないことで、むしろ午後の頭のキレを良くすることができます。

そのためには、お昼ご飯のときに、まず野菜を食べること。その後、肉を食べ、後半に白米を食べるようにする。

定食など、ご飯を選べる時は、白米ではなく玄米を選ぶ。玄米の方が、血糖値の上昇を防いでくれます。納豆や長芋など、ぬるぬるしたものは、ムチンという物質が入っていて、血糖値の上昇を防いでくれます。

午後の仕事の効率を上げるためには、お昼ご飯の食べ方を、少し工夫してみることが大事です。

◆テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくか、じっくりとお伝えしていきます。