■脂肪肝に注意しよう

コロナ自粛中に内臓脂肪が増えている人が多くなっていると前回お話ししました。内臓脂肪は、タチの悪い脂肪ですが、もう1つ注意すべき脂肪があります。異所性脂肪と言い、脂肪が本来ないところにたまってしまうものです。

代表的なのが脂肪肝です。脂肪肝は、推定1000万~2000万人いるといわれています。脂肪肝を20年放置すると、1~2割の人が肝硬変になり、そのうちの一部が肝臓がんになることが分かっています。

■肝がんが心配

以前は肝臓がんと言うと、ウイルス肝炎が主な原因と言われていましたが、抗ウイルス薬がつくられたため、だいぶ減らすことができました。

今、肝臓がんの半分近くは、脂肪肝から発生してると言われています。脂肪肝にならないためにも、内臓脂肪を減らすことが重要。つまり、コロナ脂肪を放置しないということです。

内臓脂肪も脂肪肝も、問題なのは中性脂肪。中性脂肪は、肝臓で糖質が原料となって構成されます。だからこそ、糖質の取り過ぎに注意したいものです。

糖質が多く含まれるものは、甘いものや果物、お酒など。もちろんお米にもたっぷり含まれます。毎日お米を食べたい人は、玄米や雑穀米に替えるといいでしょう。

ぼくの患者さんでも、玄米が苦手という方が多いのですが、5分精米(※)なら食べられると言います。3分づきとか5分づきなどが売られています。試してください。おいしいです。

※分づき米は、白米を10割の精米率としたら何割精米しているかを示す。数字が小さいほど玄米に、大きいほど白米に近くなる。

◆テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくか、じっくりとお伝えしていきます。